「ゴルフツアープロアマ戦騒動」で考える、会社と職人の関係

男子プロゴルフツアーの「プロアマ戦騒動」を引き起こした核心的原因は、片山プロが根っからの「ゴルフ職人」であることではないでしょうか。

「職人」というのは、自分の専門分野、専門技術に対するこだわり・思い・プライドがハンパない人のこと。
自分の「技術」に関しては、一切妥協することなく完璧を追求する。
それだけに、自分の「技術」に対する他人の干渉をひどく嫌います。
反面、自分の「技術」以外には、とんと無頓着
愛想を良くして周囲との関係を良好に保とう、などという感覚はありません。
愛想が良くて、技術が完璧な職人がいればベストなのですが、現実はそんな人はなかなかいません。
専門技術への強いこだわりと、それ以外への無頓着がセットされているのが「職人」なのです。
その両方の性質を総称して、「職人気質(かたぎ)」と呼ぶのでしょう。

どんな業種、どんな会社にも「職人」はいます。
私たちの会社にも、溶接の職人たちがいます。
不愛想で口が悪く、喧嘩早い。
だけど仕事は早くてキレイで、妥協なし。
彼らがいなければ、会社は成り立ちません。
会社にとって「職人」は絶対必要です。
ですから会社を経営していくうえで、「職人気質」を理解して、「職人」をどう生かしていくかは非常に大切なテーマなのです。

繰り返しますが、片山プロは根っからの「ゴルフ職人」です。
不愛想なのは今に始まったことではないでしょう。
プロゴルファーをそれぞれ「個人事業主」として捉えるなら、今回の騒動はすべて個人事業主である片山プロに責任があることになります。
しかし、「日本ゴルフツアー機構」を一つの会社として捉えるなら、「ゴルフ職人」を一つのリソースとしてどう扱ってどう生かしていくかは、機構にとって非常に大切なテーマです。

ゴルフ職人を「愛想良し」に変えることが必ずしもツアーを良くしていくことにはならないかも知れません。
ゴルフ職人には、「懇親」目的のプロアマ戦ではなく、「技術」でゴルフファンと交流する場を与える方法もあるのではないでしょうか。

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