「客単価」は高ければいいってもんじゃない

「客単価は高いんですよー」
売上不振の小売店の店長からよく聞く言葉です。
売上 = 客数 × 客単価
ですから、店長が言う通り「客単価」が予算より高いのであれば、「売上」も高くなるはず。
しかし売上不振なわけですから、結局「客数」が予算に達していないのです。

店長は「客単価」が高いことをアピールしますが、むしろ「客数」を集めれていないことを見直すべきでしょう。

「客単価」が高くて「客数」が少ない。
これはどういう現象でしょうか。
決して「値段が高すぎるから、買うお客が少ない」のではありません。
客単価は「モノ単価」ではなく、お客が一回の買い物で支払う「買い物金額」です。
ですからこの現象は、まとめ買いのお客が多く、ちょっと買いのお客が少ない、ということです。
大雑把に言えば、「ヘビーユーザー」が多く「ライトユーザー」が少ない

「ヘビーユーザー」だけで売上目標を達成できないなら、「ライトユーザー」を取り込まなくてはいけません。

ところでヘビーユーザーはそのカテゴリーの商品知識が豊富です。
接客や商品説明POPが無くても、自分でセレクトして買います
私の知人で洋服選びの達人は、どんな場末のスーパーの安売りコーナーでもまずまずの服を見つけてきます。
ライトユーザーはそうはいきません。
商品知識が豊富ではないので、接客や商品説明が必要です。
商品を見る前に、店舗の外観や内装から商品をイメージします。

実はライトユーザーを集めるのは難しいことなのです。

ネットショップは徹底的に商品を絞り込んで、そのカテゴリーのヘビーユーザーだけで商売することも可能でしょう。

しかし実店舗は商圏という地理的な制約を受けるので、ある程度ライトユーザーを取り込む必要があります。

ライトユーザーを上手に取り込んでいくと、「客数」が増え、「売上」が増え、予算に近づきます。

その間に「客単価」は、ゆっくりと下がり予算に近づくのです。

客単価は高ければいいってもんじゃないんですね。
 
 

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