「燃料電池車」か、「電気自動車」か。

 

2年ほど前、トヨタの「MIRAI (ミライ)」に試乗したことがあります。
水素を燃料とする「燃料電池車」ですね。
静かに走り出して、スーッと気持ちよく加速するのを実感して、文字通り未来はこんな車が主流になるんだなと思いました。

ただ恥ずかしながら、その時まで勘違いしていたのですが、燃料電池車は水素を燃やして走るものと思っていました。
そうではなく、水素を電気に変えて、その電気で走るんですね。
私が試乗で感じたあの乗り心地は「電気自動車」の乗り心地だったのです。

あれから2年、ここに来て自動車業界は一段と「電気」への移行方針を明確にしています。
先日ボルボは、2019年以降の新モデルはすべて電気自動車かハイブリッドにする、と宣言しました。
また、初めから電気自動車でスタートした米テスラは、「オーストラリアで大型蓄電システムを受注」したと発表しました。
こういうニュースを見ていると、「電気」「太陽光」「再生可能エネルギー」「原子力」「蓄電」「スマートグリッド」といった未来のエネルギーの話題の中に、「自動車業界」も飲み込まれようとしているのを感じます。

そこで少し気になるのは、冒頭の「燃料電池車」です。
CO2を出さない「夢のエコカー」であるはずの燃料電池車の記事を、新聞であまり見かけなくなりました。
トヨタが世界をリードしていることは間違いないのですが、後追いしている企業の話題がないのです。
エネルギーの変換効率や蓄電技術の進歩で、「燃料電池車」の優位性を危ぶむ声も出ています。

「燃料電池車」か「電気自動車」か「プラグインハイブリッド」か。
20年後に残っているのはこの中のどれかでしょう。
これを決めるのは「自動車業界」ではなく、エネルギーを取り巻く技術革新なのだと思います。
近いうちに自動車メーカーは、エネルギーの動向を踏まえて「どの道を選ぶか」、難しい判断を迫られることになるのでしょう。

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