いきなりフラッグシップ戦略

 

フラッグシップ店(旗艦店)と聞くと、銀座や表参道、御堂筋のハイブランドの大型店舗をイメージします。

しかし最近は、新しい戦略をもった小ぶりなフラッグシップ店が出てきました。
それは中小企業が、新ブランドを立ち上げる際に、1号店をフラッグシップにするケースです。
いきなりのフラッグシップ店です。

例えば、銀座のスイーツ店の戦略。
銀座の路面に1号店を出した後は、店舗展開をせず、インターネット販売だけをしています。
つまり、ネット販売のために銀座にリアル店舗を出したのです。

また、麻布のお菓子屋の戦略。
麻布の新進のお菓子屋さんは、百貨店出店のために麻布の路面に店を出しました。
麻布に店を出したら人気が出て、百貨店からオファーが来た、というのではありません。
最初から百貨店への売り込みを目的に、麻布にモデル店を出したのです。
実際、2号店以降は百貨店で展開しています。

銀座の店はネット販売、麻布の店は百貨店を主戦場と位置付けています。
どちらも、「家賃の高い旗艦店のコストは、その主戦場で回収する」と最初から明確に決めています。
ハナっから、従来型の多店舗展開をするつもりはないのです。

この「いきなりフラッグシップ戦略」のメリットは、
① 勝負が早い
② 投下資本が少ない
こと。
あらかじめ事業の領域と成長戦略を明確に絞っているので、早い時期、例えば2〜3年で成否が決まります。
家賃の高い一等地の路面に出店しても、多店舗展開しないので、結局投下資本は莫大にはなりません。

従来は賃料の手ごろな場所に1号店を出し、ジワジワ育てて一等地で勝負する時機を窺がう、というのが一般的でした。
その間に数店舗出店して大きなお金を遣ってしまうことも。

「いきなりフラッグシップ戦略」は、資本の小さい中小企業に向いている戦略です。

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