フランチャイズ加盟の前に、絶対に、何度も、しっかり確認しておくこと

 

私たちのグループ会社では、これまでいろんなフランチャイズの商売にトライしてきました。
雑貨店、レンタルビデオ、百円ショップ、カフェ、教育、介護、リサイクル、幼児教育、などなど。
全部合わせると、数十店舗になります。
それらの店舗に勝ち負けを付けるとしたら、ザックリ「3勝7敗」もしくは「2勝8敗」くらいの感じでしょうか。
正直、なかなか儲かりません。

フランチャイジー(加盟店)になるかどうか検討する際、当然フランチャイザー(FC本部)から収支のシミュレーションが提示されます。
開業後15年間くらいの損益とキャッシュフローの表。
何年目で黒字になり、何年目で投資回収できるか、などを示す資料です。
加入する側は、売上が徐々に上がっていくシミュレーションを見て、
「本当にこんな感じに増えていくのかなあ」
と期待半分、不安半分の気持ちになります。

シミュレーションを見る時、どうしても「売上」、「利益」、「キャッシュフロー」ばかり見てしまいます。
しかし、本当にしっかりチェックしなければいけないのは、「経費」です。
特に「人件費」と「本部経費」。
本部経費には、「売上の5%」といったようなロイヤリティの他に、研修費や広告負担料など、FCごとの独自費用があります。

なぜ「費用」をしっかりチェックしなければいけないのか。
それは大概において、「売上」がシミュレーションのようには上がらないからです。
売上が上がらなければ即赤字になりますが、その赤字幅を決定するのは「費用」です。
私たちが過去にトライしたFCのシミュレーションでもっともタチの悪いものは、人件費が過少に見積もられていたケースです。
実際に事業をスタートしてみると、最初からシミュレーションの人件費には収まらないのです。
最初はスタッフも不慣れな状態なので、「人数多めでも仕方ないか」でスタート。
しかし数ヵ月たっても人手に余剰は発生せず、逆に売上が増えてくるとさらに人員が必要になったり。
結果、いつまでたっても人件費はシミュレーションから大きく上振れした状態になってしまいます。
後で検証しても、「どう考えてもそんな人数では出来ないよなあ」というシミュレーションだったのです。

FC本部がいくら出店ノウハウを持っているとしても、「売上」予測が外れることは、ある程度仕方がないことでしょう。
しかし、「経費」予測は絶対に外してはいけません
既存店のデータをたくさん持っているのですから、外すわけはないのです。
それをFC本部がエンピツをなめてシミュレーションを細工しているのであれば、大問題です。

売上が上がらない「赤字」も、経費が増えた「赤字」もすべてフランチャイジーの負担です。
FC本部が負担してくれることはありません。
ですからシミュレーションの段階で、「経費」の一つずつについてFC本部と妥当性を確認することをおすすめします。
特に人件費と本部経費については、「大きく上振れした場合は補償する」くらいの言質をとっておくべきです。
後で実際に補償できるかは分かりませんが、少なくとも過少見積もりは排除できるでしょう。

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