三途の川を豪華客船で渡る

 

老後資金はいくら用意すればよいのか。
これを難しくしているのは、「自分が何歳まで生きるか分からない」こと。
理想は、亡くなった時に、自分の資金を遣い切っている状態でしょう。
いろいろあったけど、プラスマイナス合計すれば、最後はゼロ。
おカネに関してはゼロサムな人生がベストです。
(思い出はたくさん抱えて逝きましょう)

しかし日本で多いのは、最期の瞬間が人生でもっとも資産を抱えた状態になっているケース。
家のローンも完済し、退職金と年金を節約しながら遣い、その間に保有する株や不動産が値上がりしたりして。
ところで、三途の川は6文銭あれば渡れるそうです。
今のお金で言えば120円。
いっぱいお金があっても、お金持ち用の豪華客船があるという話も聞きません。

最期が資産ピークになってしまう最大の要因は、ローンを完済した自宅を保有していることです。
70歳になったら自宅を売って現金に替え、賃貸住宅に住めば、遣えるお金は相当増えます。
しかし住み慣れた家を売って新しい環境で再スタートする決断は、高齢者にとって簡単なことではありません。

そこで家に住み続けたい人にピッタリなのが、「リバース・モーゲージ・ローン」
銀行が自宅を査定して、その評価額以内であれば、いつでもいくらでも借入をすることが出来ます。
元金返済も利息支払いもナシ、亡くなった時に家を売って精算することになります。
欧米では一般的な「リバース・モーゲージ・ローン」ですが、日本ではまだ一部の金融機関しか取り扱っていません。

日本で浸透しない理由はおそらく、日本人が欧米人に比べて、極めて心配性だからでしょう。
このローンにも「借入限度額」があるので、うんと長生きした時のことを考えると安心して借入出来ません。
心配性の日本人に浸透させるためには、このリバース・モーゲージ・ローンと生命保険をセットにして、長生きしても安心しておカネを遣える商品にしてあげる必要があると考えます。

三途の川では豪華客船に乗れないので、出来れば生きている間に乗っておきたいものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)