個人消費は、もうすぐ急増する

 

先日テレビ番組で、「なぜ個人消費が増えないのか」というテーマで経済評論家の方々が議論していました。
「ふんふん」と納得する意見もあれば、「んー、そうかなー」という意見も。

私は「個人所得の総額」つまり「国内で支払われた給与の合計」が増えさえすれば、必ず「個人消費の合計」も増えると考えます。
雇用形態が正社員であろうとパート・アルバイトであろうと、金額が高給であろうと最低賃金であろうと構いません。
国内の給与総額が増えさえすれば良いのです。
なぜなら、ほとんどの人は、もらった給料をほぼ全額遣い切るからです。
賃金の上昇率だの物価の上昇率だのは、あまり大きな問題ではありません
「給料全額遣い切りの法則」がある限り、国内の給与総額が増えれば、個人消費は当たり前に増加するのです。

テレビに出ていた評論家の一人は、
「最近増えている主婦のパートは、もともと家計の補てんのために働き始めたのだから、給料をなかなか消費に回さない」
と言っていました。
そんなことはないでしょう!
今のパートさん世代は、バブルを少し経験した消費意欲旺盛な世代です。
そんな「おしん」みたいなパートさんはいません。
家計の補てんも結局は消費、通勤のために買った服もバッグも、働く自分へのささやかなご褒美も消費。
あれば全部遣ってしまいます。

20代の若い子たちを、「車にも興味がない」「酒を吞まない」「消費しない」世代と定義する向きもあります。
しかし彼らは、自分がのめり込んでいる分野には、しっかりお金を遣います。
消費をしないのではなく、消費する場所が変わったのです。

ところで、「給与全額遣い切りの法則」の例外があります。
それはIT長者のように、年収1億超の人たちです。
彼らには、「給料全額遣い切りの法則」は当てはまりません。
この10年くらいは、そういう長者が次々に登場しました。
この間は国全体の個人消費は上がってこないのです。

今の状況は違います。
求人倍率、雇用状況を見れば、国全体の給与総額が急増する勢いです。
しかも、「給料全額遣い切りの法則」がバッチリ当てはまる人たちの給与総額が急増するのです。
間違いなく、これから個人消費は急増します。

ただし忘れてはいけないことがあります。
それは個人消費の回復が、例えば百貨店の売上回復に直結するわけではないということ。
過去の消費の形に戻るわけではないのです。
これから急増する消費がどこに向かうのか、しっかり観察する必要があります。

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