地方の工業団地に異変

 

最近私たちの会社がある、地方の工業団地に異変が起きています。
長い間売れずに残っていた区画に、この2年で次々と有力企業の進出が決まっているのです。
しかも今最も注目されている製薬会社や医療機器製造会社など、超優良企業が進出を決定しています。

25年前に整備公団が分譲開始した50区画は、つい3年前までかなりの数が売れ残っていました
それが現在は完売状態です。

なぜ急に売れ始めたのか。
東日本大震災以来高まっている、自然災害に対する「備えの意識」から、大企業が工場の地方分散に動いているのか。
それとも景気回復に乗って、スマート工場の新設をしているのか。
それともこのエリアの評判が、急によくなったのか。

先日、市の産業立地担当者と会う機会があったので、事情を訊いてみました。
確かに有力企業の国内新工場への投資意欲は高まっているとのこと。
ただ売れている最大の理由は「市が必死に売っているから」だそう。

3年前、公団から売れ残り区画をすべて買い上げ、市が直接販売する形に切り替えたとのこと。
県の東京事務所・大阪事務所の駐在員と連携、有力企業に直接誘致活動を仕掛け、企業からの要望を聞きながら経済条件を柔軟に緩和しているそうです。
例えば、
土地代金の4割を補助
土地取得税免除
建設する建物の取得税も免除
工場稼働開始から3年間固定資産税も免除
その他、雇用にも助成金
といった感じで、何かの「特区」ではないかというような優遇です。

有力企業を誘致して、若い人たちの流出を防ぐ、同時に都会からの人口流入を促す。
地方の県や市ができる人口減対策は、企業誘致以外にないのです。
定価で買った私たちからすると複雑ではありますが、それでも有力企業が進出してくることは、地域にとっても私たちにとっても喜ばしいことです。

市担当者曰く、次の工業団地用地を物色中とのこと。
待ったなしの人口減問題、地方自治体は本気で必死です。

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