採用にもある、「最少催行人数」

 

「最少催行人数」という言葉を目にするのは、旅行業者のツアー募集のパンフレットくらいです。
最低〇〇人集まらなかったら、ツアーの企画自体が無くなるというやつですね。

最近、採用に関してもそれが出来たらいいな、と思うようになりました。
そのきっかけは、今年の新入社員が先日退職してしまったことです。
高校卒で入社、3ヵ月のジョブローテーション中でした。
その原因は、私たちの受け入れ体制にも、本人にもあります。
しかし最大の要因は、「新入社員がたった一人だったこと」だと思います。

ちょうど30年前、大学を出て社会人になった時のことを思い出してみると、同期入社の存在は大きかったです。
会社に入って右も左も分からない時、頼りになるのは上司でも先輩社員でもなく、同じように右も左も分からない同期でした。
不条理に先輩に叱られたときも、帰りに同期と吉野家でメシしながら愚痴を吐き出し、それでずいぶん救われました。
後で考えれば、当時は確かに稚拙な感覚で仕事をしていました。
上司や先輩から見ると、手がかかるお荷物な存在だったでしょう。
そんな時期を何とかくぐり抜け、徐々に社会人らしくなれたのは、一緒のレベルで一緒の目線で一緒に成長する同期がいたからだと思います。

ひるがえって先日辞めた新入社員のことを考えれば、高校卒業したばかりの18歳で、しかも普通科卒で慣れない工場の仕事で、職人さんに囲まれて。
この状況を一人で乗り切るのはとてつもなく難しいことだったのだと思います。
私たちが組んだ研修の仕方についても、大いに反省しなくてはいけません。

一般的に、会社がメンター(新入社員の精神的サポーター)をつけるケースもありますが、工場での仕事では実際無理でしょう。
であるなら、複数採用を徹底するしかありません。
複数人採用して一緒に研修を受けさせる。
複数人採用を目指して活動し、途中で一人しか採用出来ない見込みになれば、採用ゼロとする
採用にも、「最少催行人数」があるのです。

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