採用面接の「基本ルール」

 

新卒、中途問わず、採用面接で訊いてはいけないことがあります。
次の質問の中で、してはいけない質問はいくつあるでしょう。

➀生まれてからずっと、今の住所に住んでいるのですか。
➁あなたの両親は、共働きですか。
➂あなたは今の社会を、とう思いますか。
➃あなたはどんな人になりたいですか。
➄学生時代は自宅通学でしたか。

答えは5個、全部NGです。
これらは大阪労働局のHPからの抜粋です。

そのHPによると、下のような質問がダメとされています。
1. 本籍に関する質問
2. 住居とその環境に関する質問
3. 家族構成や家族の職業・地位・収入に関する質問
4. 資産に関する質問
5. 思想・信条、宗教、尊敬する人物、支持政党に関する質問
6. 男女雇用均等法に抵触する質問
この「基本ルール」は、私たちが就職活動した30年前にもありました。
目的は、本人の責任ではないことを排除して、あくまで本人の適性・能力で選考するように、というものですね。
これは合理的でもっともなことなので、大半の企業はこのルールに沿った適切な面接・選考をしているでしょう

しかし冒頭の質問例は、すんなり理解できません
私個人的には、④の「あなたはどんな人になりたいですか」は、むしろ積極的に訊いてみたいことです。
仕事を通じてどんな社会人、どんな大人になりたいか。
今時点での思い、考えを聞いて、本人の目標と自社の目標がどういう関係になるか、ミスマッチを予防するためにも確認したいものです。
➃の質問が、思想・信条を問いただすことになるなら、面接で少しも掘り込んだ話を聞けなくなってしまいます。

冒頭の質問例は、1から6の基本ルールをより具体的にしたものです。
しかしそれによって、かえって全体の精神が分かりにくくなっています
繰り返しますが、この就職差別をなくすための基本ルールについてはどの企業も理解賛同しています。
労働局はまず、企業がこの基本ルールに賛同してその精神に沿った採用面接をしていることを再認識して、それを大切にしてほしいものです
細かい質問例に縛られて、企業が生き生きとした面接ができなくなるなら、「ミスマッチを防止する」という面接の大目的も果たせません。
それは「求職者を守る」という意味でも本末転倒でしょう。

採用担当者を迷わせるような質問例は必要ありません。

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