小売業の損益計算書(例)です。
売上 | 120,000 |
原価 | 48,000 |
粗利 (売上総利益) | 72,000 |
経費 (一般管理費販売費)
人件費、外注費、広告宣伝費、 地代家賃、旅費交通費など |
68,000 |
営業利益 | 4,000 |
営業外収益 | 500 |
営業外費用 | 1,500 |
経常利益 | 3,000 |
※赤文字は原価や経費などの支払(マイナス)科目
損益計算書を見る時、通常上から下に眺め、一番下に利益が出ているかどうかを確認するでしょう。
でもそれで終わってはいけません。
損益計算書で最も大切な数字は、「粗利(売上総利益)」と「経費(一般管理費販売費)」です。
損益計算書を上から下に眺めると、先に「粗利」があって、その後に「経費」が出てきます。
しかし本当は順番が逆です。
会社が商売をする時、店舗用の物件を借りて、人を採用し、広告宣伝をします。
それらの「経費」をかけた後で、ようやく売上が上がり粗利が残るのです。
「経費」が先で、「粗利」があとです。
つまり「経費」をインプットして、「粗利」をアウトプットするのです。
この視点をもって、損益計算書の「粗利」と「経費」をじっくり比較検討しなければいけません。
中小企業の損益計算書を見ると、営業利益ベースで赤字を何年も続ける会社があります。
営業利益 = 粗利 - 経費
ですから、営業赤字を続けるということは、インプットよりアウトプットが小さい状況が続いているわけです。
50円稼ぐために60円投入し続けているのです。
そういう会社は、「経費」がインプット、「粗利」がアウトプットという視点が無いのです。
その視点さえあれば、営業赤字が続くことはないでしょう。
なぜなら、「経費」も「粗利」も、その気になれば相当部分コントロール出来るのですから。