次世代に先送りしていけないのは、プライマリーバランスの赤字

 

次世代に先送りしてはいけないもの、それは「大きな借金」ではなく、プライマリーバランスの赤字です。

プライマリーバランス(基礎的財政収支)とは、国が会社と同じように決算をしたとすると、「損益計算書」の営業利益に当たります。
営業利益=売上-経費
ですから、本業の収支、本業のもうけを表しています。
プライマリーバランスも、国債の発行や、国債の元利支払いを除いた、国の本業部分の収支です。

借金である国債1,000兆円は大きな数字ですが、それ以上に十分な資産があり、高い成長率があるのであれば、必ずしも致命的な問題ではないでしょう。
民間企業でも装置産業であれば、年商の何倍もの借入がある優良企業もあります。
問題は、プライマリーバランスの赤字、つまり営業赤字です。
営業赤字を続ける会社に、健全企業はありません。
営業赤字を続ける会社は、一つ残らず問題企業です。

国も同じでしょう。
一年だけ赤字なら、それは震災などの特殊要因のせいかも知れません。
数年間赤字なら、それは産業革新に対応した先行投資かも知れません。
しかし、日本のプライマリーバランスは1992年の黒字を最後に、四半世紀赤字を続けています。
いろんな事情があるとは言え、これはもう「体質」になっているのではないでしょうか。
今あるものは削ったり手放ししたくない、足りなければ借りたら何とかなる、という体質。
極端な言い方をすれば、
「お金が無いのに惰性でパチンコに行く」
ような借金体質です。
次世代に1,000兆円の借金を引き継ぐのは仕方ないとして、この「体質」は引き継いではいけません。
子供に「親子リレー住宅ローン」を引き継ぐのであれば、それをきちんと返していける術を身につけさせる必要があります。
借金は引き継いでも、「借金体質」は引き継いではいけないのです。

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