法人税を、「保険料」と考える

中小企業、特に小企業の社長は、法人税を払いたがりません。
決算の2ヵ月前に、今期1千万の利益が出ていると分かると、あわてて節税に頭を巡らせます。
税金を払うくらいなら、何かにおカネを遣ってしまおうと。
社長がそう考えてしまうのは、「法人税」をただ持って行かれるだけの支払い、リターンのない捨て金と捉えているからでしょう。

しかし、そうではありません。
法人税にもリターンはあります。
法人税を支払うことによる最大のメリットは、「決算書」が良化することです。
利益が出れば余計な節税はせず、3割を法人税として支払い、7割を資本として残す。
そうすれば、損益計算書も貸借対照表も良化します。
良い決算書は、銀行の大好物です。
良い決算書をキープしさえすれば、いつでも銀行はおカネを貸してくれます。
必ずしも、今時点の「決算書」が優良でなくても、毎年少しずつ良くなっていることを示せば、銀行はカネを貸してくれるでしょう
おカネさえあれば倒産することはありません。
つまり、法人税は、銀行からカネを借りるための「保険料」、倒産しないための「保険料」なのです。
決して捨て金ではありません。
それから得られる安心感は、少しばかりの節税で得られるお得感よりもはるかに大きいでしょう。

「小企業」が、何年経っても安定成長の軌道に乗れず、不安定な「小企業」のままであるなら、それは社長が法人税を捨て金と考えているからかも知れません。
法人税は、倒産しないための「保険料」なのです。

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