神戸製鋼で懸念されるのは、コンプライアンスだけじゃない

 

神戸製鋼所の製品データ改ざん問題はますます深く大きく拡がっています。
「神戸製鋼、とんでもないなー」
と言いながらも、同時に
「まあそれで作った新幹線や飛行機には問題ないんでしょ」
私たち日本人は、日本メーカーに身びいきな考え方をしてしまいます

それは、この神戸製鋼の問題を「コンプライアンス(法令順守)」の問題、「ガバナンス(企業統治)」の問題と考えているからでしょう。
新聞やニュースのニュアンスもそんな感じです。
確かに、神戸製鋼のコンプライアンスは信じがたいほど酷いです。
しかし同時にチェックしておかなくてはいけないことは、「技術力」です。

なぜ検査データを改ざんしなくてはいけないのか。
それは製品検査の数値が悪いからです。
お客と取り決めた数値が安定的に出ないからです。
そう考えると、神戸製鋼の「技術力」に懐疑的にならざるを得ません
技術力が追いつかないからデータを改ざんせざるを得ないのか。
データを改ざんするから、技術力が向上しないのか。
いずれにしても、神戸製鋼には取引先が期待するだけの技術が無いのかも知れません。

もしそうならこの先、神戸製鋼が信頼回復・業績回復する道筋は非常にきびしいものになるでしょう。
コンプライアンスやガバナンスは組織と人を入れ替えれば、それなりに即改善できます。
しかし製品の品質を上げるための技術はそんなに短期間に得ることは出来ないからです。

そもそも私たち日本人は、日本メーカーに過度の信頼と期待を持ちすぎているのかもしれません。
東芝のようにガバナンスで間違いを起こすことはあっても、日本メーカーの技術や品質には間違いはないと。
韓国や中国に負けるはずはないと。
この私たち日本人の「日本メーカーへの妄信」は、皮肉なことに日本メーカーの甘えにつながっているのかも知れません、
一度捨てましょう。

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