考える現場、考えない現場

 

工場にしろ、店舗にしろ、現場の人が考えて行動することは、当然悪いことではありません。
「考える現場」と「考えない現場」のどちらが好ましいかと問われたら、誰でも「考える現場」と答えるでしょう。
しかし、この問いについては、もう少し深く考える必要があります。
「考えない現場」の方が儲かるケースがあるからです。

モノづくりで利益を出す一番オーソドックスな方法は、同じモノを作り続けることです。
三角の製品を作った後に四角を作り、丸を作って、また四角、という作り方では効率は上がりません。
三角をずっと作り続ける方が、はるかに効率が上がり、儲かる仕事になるのです。
この「三角を作り続けている」状態では、現場はほとんど何も考えていません
考えなくても体が自然に、スピーディーに動いている状態。
これが一番儲かる状態です。
一個一個考えながら作るようでは儲かりません。

私たちが考えるべきは、三角・四角・丸の製品の製造計画をどう工夫して、同じ製品を作り続ける状態に持ち込むか、です。
これを私は、「得意パターンに持ち込む」と言います。

これは製造業に限らず、小売業やサービス業にも当てはまります。
小売店で、あるアイテムを大量に売りさばきたい時、得意なセール方法があればそれに乗っければよいでしょう。
スタッフも一回ずつセール方法を考える必要はありません。
何度もやっている「得意パターン」なので、考えなくても精度の高い準備が出来ます。
肉屋で売れ残りそうな牛肉を、「手作りハンバーグ」に変える得意パターンがあれば、その都度その都度、在庫処分に考え悩む必要はないでしょう。

「考えない現場=儲かる現場」は自社の得意パターンです。
得意パターンをつくるために、考えるのです。

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