革新的事業に必要なこと

最近の新聞で、国内カーシェアリング業界1の会社が
業績を伸ばしているという記事を読みました。
駐車場運営大手のパー〇〇4です。
 
私も3年くらい前から会員になって利用しています。
特に東京では至る所に車が置かれていて、便利この上ないですね。
予約から利用、返却まですべてスマホと会員カードで完結。
一度返却後に忘れ物に気づいたときも、その対処が自動でされるのを体験し、そのシステムに本当に感心しました。
 
今から3年近く前にその会社の担当者と話をしたことがあります。
その会社は当時、本業の駐車場事業ではしっかり利益を出していました。
しかし、カーシェアリング事業は始まったばかり、将来性はまだまだ不透明でした。
その時に担当者から聞いた話は非常に興味深いものでした。
「私たちの強み、得意としているのは、『無人のオペレーション』。
例えば、私たちの駐車場にある飲料自販機にも意味があるんです。
その自販機業者は、飲料補充時に駐車場周辺とシェアカーの状況確認をする、
そういう取り決めになっているんです。」
ほったらかしに見える時間貸駐車場も、エリア担当者・エリアマネージャー・ベンダー業者で一日23回チェックしているとのこと。
 
私はITを使ったカーシェアのシステムにだけ目が行っていましたが、
実は現場を無人で管理するという目に見えないノウハウもあったんですね。
カーシェアリングは米国などで先行したビジネスモデルとは言え、
神経質で保守的な日本人の中にこれだけ急速に浸透するとは思いませんでした。
それを成し得た背景には、その会社のITとアナログの相互補完のノウハウがあることは間違いありません。
 
世の中に広く急速に浸透する革新的事業は
IT + 培ってきたアナログ = 革新的事業
なのではないでしょうか。
ITだけでもなくアナログだけでもなく。
逆に、IT関連事業を起業したものの、それが革新的事業に育たないのは、ユーザーと事業をつなぐアナログ技術が不足しているのかも知れません。

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