コンビニと魚屋

コンビニと魚屋

近くの町で、非常に流行っている「鮮魚店」があります。
「コンビニエンスストア」の駐車場の一角にあるその店は、一年前までは百貨店の地下(デパ地下)で営業していました。
地方あるあるで、一年前百貨店がまるごと閉店してしまい、やむなく百貨店に近いその場所に移転したのだとか。

魚屋の大将を知る人からの情報では、その場所でもデパ地下と変わらない売上をとっているとのこと。
なぜその魚屋はそれだけの売上をとれるのか。
もともとデパ地下でも、「刺身」や「寿司」が美味しいと定評のある店だったのですが、それだけではないようです。

その店の立地に、大将も予測しなかった二つのマーケティング効果があったのです。
一つは、百貨店がなくなったことで近隣の住民が「買い物難民」になったこと。
「買い物難民」は、農村地域の専売特許ではありません。
高齢化が進む地方の中心市街地で、百貨店がなくなると、足をもたない高齢者は一気に「買い物難民」化します。

もう一つは、「コンビニ」との相性の良さ。
近くに商業施設がなければ、コンビニで買い物するしかないのですが、コンビニに決定的に欠けているのは「生魚(なまざかな)」なんですね。
これをその魚屋が補完しているのです。
高齢者の消費パターンを想像すると、魚屋で「刺身」か「寿司」を買って、コンビニでちょこっと総菜や甘いものを買う
このパターンがあれば、それなりに満足度を維持して生活していけます。
ちなみにこれが、「魚屋」ではなく「肉屋」だったらそこまでの満足度はないかもしれません。

「コンビニ」と「魚屋」の相性なんて考えたこともありませんでしたが、マーケットによっては強力な組み合わせになるんですね。
気づきのある事例でした。

コンビニのアンフェアなゴミ事情

コンビニ

コンビニの店前に置いてあるゴミ箱は、原則その店で買ったものを食べた後に出るゴミを捨てるためのものなんでしょうね。

家庭ごみの持ち込みはダメでしょう。
それでも家庭ごみを捨てやすい状況のため、いろんなゴミが捨てられていると思います。
私は以前からこのゴミ箱に関しては、コンビニは寛容で太っ腹だなーと感じていました。
 
しかし最近その考え方が変わってきました。
先日、会社周辺を大掃除した時のこと。
私たちの会社は郊外の工業団地にあり、面積が大きいので、周辺の掃除だけでも相当のボリュームがあります。
数人でゴミ拾いをすると、車から投棄されたゴミですぐに持っている袋がいっぱいになってしまいます。
その中にコンビニの袋、コンビニの弁当容器、コンビニのおにぎり包装が本当に多いこと。
それから推測すると、空き缶やペットボトルも多くがコンビニで購入されたものと思われます。
コンビニはスーパーなどと違い、すぐに食べれる食料品が中心なので、必然的にゴミ投棄につながりやすいんですね。
 
コンビニが売ったものがゴミになり投棄される。
それを捨てられた周辺の住民や市の清掃部隊が片づける。
それならせめて、コンビニの店前のゴミ箱も寛容であっていいんじゃないか。
そう考えるようになりました。
 
しかし最近はコンビニのゴミ箱も、店内に設置される傾向にあります。
火災などの危険防止という理由は理解できますが、「ゴミの片付け」に関してはアンフェアな感じがします。
コンビニはある程度「町のゴミステーション」の役割を請け負っても良いのではないでしょうか。
 

セブンイレブンの「61品目値下げ」は攻め ? 守り ?

コンビニ
セブンイレブンが419日、日用品61品目を値下げしました。
と言っても、セブンの主戦場ではない(あまり売れていない)、ナショナルブランド(NB)の日用品ですから、これで店舗収益がマイナスの方向に影響を受けることはないでしょう。
利用者としては、NBの「おーいお茶」を値下げしてくれたら嬉しいのですが。
 
一方イオンリテールも、4月中に250品目超の値下げをするとのこと。
こちらは主戦場の食品や日用品、しかもプライベートブランド(PB)NBともに値下げするということで、失敗すれば店舗収益がマイナス方向に動くこともあり得ます。
 
セブンは他業態から客を奪う戦略、イオンリテールは同業他社から客を取り戻す戦略です。
一見、セブンは「攻め」、イオンリテールは「守り」というように見えます。
 
しかしセブンとて順風満帆というわけではないでしょう。
店舗数の推移グラフを見ると、最近5年は異常な増え方をしています。
明らかに他のコンビニとの覇権争いに巻き込まれています
これまでローソンのお膝元で比較的セブンが少なかった神戸近郊でも、最近激しい出店攻勢をかけています。
他方、JR西日本のキオスクを一手にセブンが引き受けたり。
利用者からみると、かつての孤高のトップブランドというイメージが薄れてきました
 
最近、いつもセブンで買う「低脂肪乳」が2回連続欠品していました。
他のコンビニでは、なかなか置いていないのでセブンで買っていたのですが、これは偶然でしょうか。
「効率重視」から「覇権争い」に移行して、セブンの魅力がなくなってしまうのではないか、セブンイレブンファンとしては心配です。