眼鏡屋社長さんから聞いたタメになる話

眼鏡屋社長さんから聞いたタメになる話

「最初に大きく網を投げて、ゆっくりゆっくり引っ張る」

これは、関西の中心商店街の一等地に店を構える、老舗眼鏡屋の社長さんから聞いた「マーケティング」の考え方です。
(マーケティングを漁に例えて)
商売を始めるとき、新しく店をつくるとき、小さく網を投げてはいけない。
どこに、どんな魚が、どれだけいるかハッキリ分からない状況では、まずは可能な限り大きく網を投げてみる
そしてゆっくりゆっくり網を引く
そうすると「網の目」から、ターゲットでない魚が逃げ出す。
ゆっくりゆっくり引くのは、ターゲットでない魚が逃げていく時間を与えるため。
もし網を強く一気に引くと、ターゲットの魚もそうでない魚もガサッと網に引っかかってしまい、ターゲットの魚を傷つけるかも知れない。
ゆっくりゆっくり引いて、最後は自分たちのターゲットの魚だけをきれいな状態で残す
大切なのは、どんな「網の目」を用意するかだ。

この眼鏡店の場合は、高級眼鏡の専門店なので、「網の目」で富裕層をすくい取っているイメージを持ってしまいます。
しかしそうではありません。
この店には眼鏡づくりの最高峰、「ドイツマイスター制度」の認定を受けた数少ない日本人マイスターが常駐しています。
世界最高レベルの技術で、お客一人一人に合わせて眼鏡を仕上げるのです。
必ずしも富裕層に属さない人であっても、人一倍眼鏡にこだわっている人であればこの店のお客になるでしょう。

中小企業は、大企業のように幅広く顧客をとっていくと、儲かる商売にはなりません。
自分たちの店、会社は何を「網の目」にして、どんなお客をその中に残そうとしているのか。
つねに自問自答しなくてはならないのです。