新型コロナウイルス禍の先にあるもの

新型コロナウイルス禍の先にあるもの

7都府県対象に緊急事態宣言が発出され、新型コロナウイルスの感染拡大食い止めは佳境に入りました。
「神は乗り越えられる試練しか与えない。」
今はこの言葉を信じて、ひたすら「3密を避ける」ほかありません。

この新型コロナウイルス禍が終息した後、私たちの仕事や生活、またその根底にある考え方にどんな変化が起きるのでしょう。
いろんな変化が起きることは想像できますが、その変化の中心にあるテーマは、やはり「3密を避ける」ことではないでしょうか。
現に、佳境に入った今でさえ出来る対策が「3密を避ける」ことしかないのですから、終息してからも将来に向けて改善できることは「3密を避ける」ことしかないのです。
当初発生原因とされた中国の食生活を改善したところで、将来に向けた対策にはなりません。
これから完成するワクチンも、将来発生するウイルスに向けた対策にはならないでしょう。

新型コロナウイルスは、私たちの生活に対し、「密集しすぎ」「密閉しすぎ」「密接しすぎ」ということを警告してくれているのです。
この禍が最終どれだけの犠牲を強いるのか分かりませんが、その犠牲の大きさだけその警告をしっかり受け止め、禍が過ぎた後も忘れてはいけません。

新型コロナウイルス禍の先にあるのは「3密」を薄めていく変革でしょう。
満員電車で一斉に都心に向かう様子は「3密」の象徴です。
これだけネット環境が整いながら、仕事も学校も「同じ時間に同じ場所に人を集めなければ前に進めない」、という体質は変えなければなりません。
仕事の仕方については、その気になればいくらでも「3密」を薄める手はあるでしょう。
そしてそれらはビジネスの種になるかもしれません。

大きな社会テーマとしては、大都市と地方の役割分担の見直しもあるでしょう。
私たちの会社(製造工場)は、本州最西端の大規模産業団地の一角にあります。
この5年ほどの間に、この産業団地に国内でもっとも注目されている医療機器メーカーや製薬会社の工場進出がありました。
この進出は東日本大震災後の地理的リスクの分散が主目的と思われます。
東に何かあっても西が大丈夫、またその逆も然り。
しかし、この工場進出は今のところ、新型コロナウイルス禍に対する想定外のリスクヘッジにもなっています。
「3密」という想定しなかったリスクのヘッジです。

今私たちが取り組んでいる3密対策は、禍の後の社会変革にも直結している。
そう考えながらこの難局を乗り越えましょう。

なぜ今、富士山噴火?

富士山噴火,コロナウイルス

昨日3月31日、政府の中央防災会議の作業部会は、富士山の大規模噴火に伴う首都圏への影響をとりまとめ、発表しました。
最悪の場合、近隣7都県の鉄道が止まり、首都圏で大規模な交通マヒが起きる。
停電などによって市民生活・経済活動は深刻な影響を受ける、とのこと。

このニュースを見て、違和感を覚えた方も多いのではないでしょうか。
なぜ今、「富士山噴火」の発表?

新型コロナウイルスの感染拡大は勢いを増し、市民生活は大きく制限され、芸能界やスポーツ界にも感染が広がったことで、私たち一人ひとりの危機感も高まってきました。
飲食店、サービス業、旅行業のみならず、車業界も操業停止に追い込まれ、3月期末を悲壮感いっぱいで越した経営者も多いでしょう。
それでも「命あっての物種」
まずは感染拡大を最小限にするためにオリンピックを筆頭に殆どのイベントは延期・中止になりました。
個人レベルでもほとんどのイベントを延期しています。

こんな状況で市民が求める情報は
① 正確な情報
② 最新の(緊急性のある)情報
③ 明るい情報
ではないでしょうか。

「富士山噴火」の情報は、どれにも当たりません。
それが有益な情報だとしても、みんなが不安を抱いている今、発表する必要があったのでしょうか。
作業部会の発表の期限がこの期末だったとしても、少し延期しても良かったのではないでしょうか。
コロナウイルス対策の旗振り役の政府が、市民の気持ちに寄り添えていないのではないか。
そう感じてしまうニュースでした。