セブンイレブンが、若者の地方移住を促進する

地方移住

 

日本全国どこに行っても、老若男女すべての人が「そこそこ」オシャレになり、極端に田舎っぽい人はいなくなりました。
それは「ユニクロ」のおかげではないでしょうか。

私が高校生だった1980年代、都会と地方のファッション感度には大きな開きがありました。
高校3年の冬、私立大学の受験で初めて一人で神戸に行った時のこと。
受験に来ている関西の女子高生たちを見て、地元広島の同級生とのあまりの違いに衝撃を受けました。
ゆるく巻いた長い髪にコンサバ系ファッション、都会の女子高生はこちらが気後れするほど、大人っぽくてきれいでした。
それまで、女子高生は「聖子ちゃんカット」で「スケバンロングスカート」を履くものと思っていた私は、その時初めて都会と地方の「格差」を強く認識しました。
(もちろん、自分たち男子の方がもっと格差があったと思いますが)

しかし、今の高校生はそんな経験をすることはないでしょう。
今は都会と地方で、そこまでの格差はありません。
全国津々浦々のロードサイドに「ユニクロ」が出来てからは、ユニクロに行きさえすれば、若者からお年寄りまですべての人が、「そこそこ」オシャレで間違いのない服を着られるようになったのですから。
ユニクロが地方のファッション感度を底上げしたのです。

同じことが「食」の世界でも起きています。
全国津々浦々にセブンイレブンが出店し、そこに行きさえすれば、「そこそこ」美味しくて間違いのないスイーツを買えるようになりました。
セブンが地方のスイーツレベルを底上げしたのです。

ユニクロやセブンイレブン、しまむら、マクドナルド、スシロー、牛角、王将など、全国チェーンの店舗のおかげで、私たち消費者は全国どこに住んでも、「そこそこ」の「衣食」を揃えることができるようになりました。
この「そこそこ」は、非常に重要です。
「そこそこ」の生活が確保できるなら、「住んでもいい」と思えるからです。
「そこそこ」の生活が確保できるなら、その上に望むものは人それぞれです。
もっとスペシャルなファッションやスイーツがある都会での生活を望む人もいれば、自然に囲まれて暮らしたい人、農業にチャレンジしたい人、子供を静かな環境で育てたい人、安くゴルフできる地域に住みたい人、生まれ育った地方に帰りたい人などなど、必ずしも都会に住みたい人ばかりではありません。
かといって、いくら農業がしたい、自然に囲まれて暮らしたいという人でも、今さらポットン便所での生活はしたくないでしょう。
田舎暮らしでも「そこそこ」は譲れないのです。

全国津々浦々まで「そこそこ」の生活が保証された今、若者が自分のスペシャルを求めて地方移住するケースが増えることも十分考えられます。

セブンイレブンの新型店舗

コンビニ
日経新聞によると、コンビニの店舗数の伸びが鈍化しているとのこと。
2017年度、セブンの店舗純増数は前年比2割減。
ファミマは店舗統廃合に注力していて、店舗数は純減となるそう。
 
先日、たまたまセブンイレブンの店舗開発の方と話をする機会がありました。
私たちの会社に近い店舗を全面リニューアルするとのこと。
その店は駐車場を備えた郊外型の店舗です。
建物を若干大きくして売り場面積を広く、同時に駐車場も広く。
そこまではよくある話なのですが、それに加え店舗レイアウトが大きく変わるとのこと。
 
①入口が真ん中に
これまで長方形の店舗の正面、左右どちらか寄りに入口がありました。
それを真ん中にもってくるとのこと
➁カウンターを正面奥に
これまでは入口に対し直角にカウンターがありました。
それを正面奥に広くレイアウト、入り口側を向く形になります。
③島の陳列棚をタテ方向に
店内の島陳列棚(壁に付いていない棚)を、正面から見てタテ方向に配置。
奥のカウンターに対しては垂直ですね。
 
例えは非常に悪いのですが、レイアウト的には昔の典型的なパチンコ店を想像すれば良いでしょう。
最大のポイントはカウンターを拡大することではないでしょうか。
これまでは長方形の店舗の「短い辺」をカウンターにしていたのですが、これからは「長い辺」がカウンターになります。
コーヒー・おでん・からあげの提供や宅配便の取り扱いはもちろん、今後も増え続けるであろう各種サービスに対応できるカウンター。
 
今後リニューアルする店舗は、原則このレイアウトになるとのこと。
冒頭の「店舗統廃合を含めた出店戦略の見直し」「人手不足に対応する効率化」とも関係があるのでしょう。
カウンター背後の壁にはイメージアップのデザインが施されるとか。
どんな店になるのか楽しみです。

セブンイレブンの「61品目値下げ」は攻め ? 守り ?

コンビニ
セブンイレブンが419日、日用品61品目を値下げしました。
と言っても、セブンの主戦場ではない(あまり売れていない)、ナショナルブランド(NB)の日用品ですから、これで店舗収益がマイナスの方向に影響を受けることはないでしょう。
利用者としては、NBの「おーいお茶」を値下げしてくれたら嬉しいのですが。
 
一方イオンリテールも、4月中に250品目超の値下げをするとのこと。
こちらは主戦場の食品や日用品、しかもプライベートブランド(PB)NBともに値下げするということで、失敗すれば店舗収益がマイナス方向に動くこともあり得ます。
 
セブンは他業態から客を奪う戦略、イオンリテールは同業他社から客を取り戻す戦略です。
一見、セブンは「攻め」、イオンリテールは「守り」というように見えます。
 
しかしセブンとて順風満帆というわけではないでしょう。
店舗数の推移グラフを見ると、最近5年は異常な増え方をしています。
明らかに他のコンビニとの覇権争いに巻き込まれています
これまでローソンのお膝元で比較的セブンが少なかった神戸近郊でも、最近激しい出店攻勢をかけています。
他方、JR西日本のキオスクを一手にセブンが引き受けたり。
利用者からみると、かつての孤高のトップブランドというイメージが薄れてきました
 
最近、いつもセブンで買う「低脂肪乳」が2回連続欠品していました。
他のコンビニでは、なかなか置いていないのでセブンで買っていたのですが、これは偶然でしょうか。
「効率重視」から「覇権争い」に移行して、セブンの魅力がなくなってしまうのではないか、セブンイレブンファンとしては心配です。