相変わらず好調、「ドン・キホーテ」②

相変わらず好調、「ドン・キホーテ」

 

ドン・キホーテのすごいところは、
「なんてことない日用品の買い物をレジャーにしてくれる」
ことではないでしょうか。

例えば、お風呂場で頭を洗っていて、シャンプーが残りわずかなことに気づく。
「あぁ、もうなくなったかー。
面倒くさいけど明日会社の帰りに忘れずに買いに行かなきゃ」
となります。
日頃使う消耗品が切れて、それを補充することは、面倒以外の何物でもありません

しかし近くにドンキがあれば、
「シャンプー切れたし、トイレットペーパーも買っときたいから、メシのあとドンキに行かない ? 」
となります。
夫婦で夜中ドンキをぶらぶら。
シャンプーとトイレットペーパーの補充が、平日の夜中のちょっとしたレジャーになるのです。

考えてみれば昔から、ホームセンターやディスカウントストアにもこの種の「レジャーの芽」はありました。
お目当てのモノを探して店内をぶらぶら、そこで何か面白いモノを見つけたり。
それを品ぞろえ・圧縮陳列・深夜営業で見事にデフォルメしたのがドン・キホーテではないでしょうか。

最近話題になったアマゾンの「ダッシュ・ボタン」。
日用品の横に貼ったボタンを押すだけで補充品が配達されてくるやつです。
これは面倒くさいことを解消するためのものです。
ドンキはもっと上を行っています。
面倒くさいことをレジャーにまで押し上げてくれるのです。

相変わらず好調、「ドン・キホーテ」➀

相変わらず好調、「ドン・キホーテ」

 

相変わらず、ドン・キホーテが好調です。
2017年6月期も過去最高益になる見込み、これで28期連続増益です。

ドン・キホーテには、ちょっとした思い出があります。
十数年前に、本社の部長さんとお会いしたことがあります。
用件は、私たちの会社の新業態を、ドンキ内にテナント出店できないか打診したのです。
その業態は当時まだ一般的でなかった「ジュエリーのリサイクルショップ」。
始めて1年、まだ2店舗しかない状況で、3店舗目をドンキ内に出そうとしたのです。
そんな実績もない店の話を、部長さんは丁寧に聞いてくださいました

同時に、ドンキのテナント集めの考え方なども教えていただきました。
それはこんな話でした。
「ドンキは、常に他のSC(ショッピングセンター)との差別化を考えている。
テナント集めも、大手SCの「逆」を行く
だから大手SCに入っているようなテナントは入れない。
だから大手SCに出店していないお宅には興味がある。」

当時、大手SCのリーシング担当者ともよく会っていたのですが、どのデベロッパーも同じようなテナントを欲しがるのに辟易していました。
それだけに部長から聞いたドンキの「逆張り戦略」は、とても痛快で鮮烈なものでした
結局出店には至らなかったのですが、私はそれ以来ドンキのファンになりました。

あれから十数年が経ち、大手SCが苦戦する中、ドンキは躍進を続けています。
これは、当時私が聞いた部長の話とつながっているのではないでしょうか。