人工知能(AI)に勝てる脳

人工知能(AI)

 

Googleの人工知能(AI)「アルファ碁」が中国の世界最強棋士に3連勝したそうです。
この種のニュースは時々流れます。
囲碁以外でも、将棋やチェスやオセロなど、最近は最強プロがAIに勝てなくなってきました。
そういうニュースを見ると、「感心する」というよりも、つまらない世の中になってしまうのではないか、とちょっとドンヨリした気持ちになってしまいます。

ただ、そのようなボードゲームは、AIが最も得意な分野でしょう。
明確なルールがあって、「勝つ」という明確な目的がある。
途中に打てる「手」が何万あろうと、AIにはへでもないこと。
「勝ち」を競うなら、人間に勝ち目はなくなるでしょう。

AIにとって手ごわい相手は、例えば「勝つ気がない」人です。
碁盤を挟んで向かい合ってはいるけど、無理やり連れて来られた、囲碁なんてしたくない、勝ちたいとも思わない、興味ない、ウザい、という人です。
そんな人を前にするとAIは無力です。
「ソウイワズニ、イッショニ、ゴヲタノシミマショウ」
対戦の前に、ヤル気にさせないといけないのです。
現在のAIのレベルではこの強敵をヤル気にさせることはまだ難しいでしょう。

今後AIが発達していく過程で、最後まで手こずる相手は、「変わり者」です。
それも一見して「変わり者」ではなく、私たち一人一人の中にある「変わり者」の部分
自分では認めたくない部分だったり、隠したい部分だったりするところです。

AIがこれからどこまで私たちの生活に入り込んでくるかは分かりませんが、私たちの内側の「変わり者」を正確に認識するようになるには、まだまだ時間がかかるのではないでしょうか。
最強棋士に勝ったことは、ようやくスタートラインに立ったという感じでしょう。

10年以内に経理は無くなる、かも。

人工知能(AI)

 

税制改正で領収書のスキャナ保存が全面解禁されるなど、経理事務の簡素化をようやく国が後押しし始めました。

それにしても、なぜ納品書や請求書は発行する会社によってこれほどまでにバラバラなのでしょうか。
大きさもバラバラ、薄いものもあれば厚いものもあり、当然様式も違います。
ウチの会社もそうですが、このバラバラの帳票をキレイにそろえて糊付けして穴をあけて紐で綴って月ごとの冊子にする。
経理担当者はこれに多大な時間を費やしています。

もし国主導ですべての会社の納品書や請求書が統一されれば、それだけでも国全体で計り知れないほどの効率化になるでしょう。
バラバラであるメリットがあるとすれば、その帳票を見たらどこの会社のものか分かる、という程度のことです。
この効率化を国が主導しないのは、経理従事者の雇用、印刷会社の雇用を守るためではないか、と勘繰ってしまいます。

しかしこれから先、経理は一気に進化するはずです。
例えば、A社がB社に「電子請求」をして、B社の購買担当者がそれをポチッと承認するだけで、即時に銀行を通じて支払いが完了します。
同時にA社もB社も電子的に仕訳が完了。
B社の電子請求書には、電子納品書がセットされた形でデータ保存されます。
もう糊もハサミも必要ありません。

ほとんど経理担当者が介在する必要のない世界です。
経理は今の制度の下では非常に大切な仕事です。
しかし思い切って言えば、世の中を豊かにしていく仕事ではありません。
税制、銀行のフィンテック、経理ソフトさえ整備されれば、なくなっていく仕事です。

そうなるまで10年はかからないでしょう。
これから起きる急激な進化への準備運動として、冒頭のスキャナ保存にも取り組んでおきたいと思います。