グループウェアの「罪」

 

グループウェアを導入する会社が増えてきました。
パソコン内(サーバー内)のグループウェアソフトを使って、スケジュールや情報の共有、「既読確認」付の社内メッセージ、社内稟議など、非常に便利になりました。
おかげで机から机に回されるリアルな回覧板が一切なくなりました。
以前は、「あの稟議書、どこまで回ってる?」と大騒ぎしながら、管理職の机の上を探したものです。
そんなオフィスの光景もなくなりました。
グループウェアは一度使い始めると、その便利さで、すぐに無くてはならないものになってしまいます

しかし本当は、無くても全然大丈夫です。
私たちの関連会社には、グループウェアが導入されている会社と導入されていない会社があります。
両方の会社で仕事をしていると、グループウェアの「罪」も見えてきました。

一番の罪は、過度な情報共有でムダなコストが発生すること。
例えば、退職者が「社内メッセージ機能」を使って退職の挨拶を全社員100人に送ったとします。
「本日をもって退職いたします。在職中はみなさんにたいへんお世話に・・・・」
このメッセージを100人が開いて確認します。
そして100人のうち30人が、
「お疲れさまでした。新しい環境でのご活躍を・・・・」
というメッセージを返します。
その30人のメッセージをまた100人が開いて確認します。
これだけのやり取りにどれだけの時間を使ってしまうか。
100人の社員が確認するメッセージは、のべ3,100件。
メッセージを開いて閉じるまで、1件当たり20秒かかると仮定したら、
3,100件✕20秒=1,033分=17時間13分
社員100名の平均時給が1,800円とすると
17時間✕1,800円=30,600円
実に会社全体で17時間、3万円を浪費したことになります。
一人の退職の挨拶に。

また、このような情報共有が増えると、社員は何か情報が来ていないか頻繁にグループウェアをチェックするようになります。
プライベートな時間に頻繁にスマホをチェックするのと同じように。
便利なグループウェアも使い方を間違えると、「情報共有」という御旗のもとに社員の時間を盗み、不要なコストを発生させてしまうのです。
グループウェアを使っていて業績が上がらない会社は、使い方のルールを徹底するか、思い切って一度やめてみるのも良いのではないでしょうか。
きっといいことがありますよ。

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