先日、付き合いのある不動産屋に行ってきました。
市内で一番取り扱い件数の多い老舗の不動産屋です。
そこの店長の話によると、最近は賃貸の飛び込み客がめっきり減ったとのこと。
3年前の半分くらい、とか。
「人の動きが減っているんですかね」と尋ねると、そうではなく「SUUMO(スーモ)」の影響が大きいということです。
リクルートが運営する不動産物件の紹介サイトですね。
この2、3年の間にお客の動きが、「とりあえず不動産屋に行って」から「まずはネットで調べて」に変わったのです。
SUUMO以前は、どこかに引越しするとき、とりあえず引越先の最寄駅に行って、駅前の不動産屋を巡るのが基本動作でした。
たくさんの物件を見るにはそれしかなかったのです。
これはお客にとっては大変な負担でした。
転勤で引越しするケースでは、業務の引継に並行して転勤先の不動産屋巡りですから、不動産選びに実質半日くらいしかかけられません。
奥さんも一緒に内見、なんてとても無理でした。
そう考えるとSUUMOなど紹介サイトの登場で、現住所にいながら転勤先の不動産を探せる、それも家族で一緒に探せるというメリットは大きいです。
不動産屋の飛び込み客が減るのも当然です。
今がちょうど不動産屋の転換点かも知れません。
いくら良い物件を抱えていても、お客が来ないのではその強みを発揮できません。
「管理物件は握りこむよりも公開した方が良い」
不動産屋の考え方の転換点です。
そうなると、これから先は一気に掲載物件が増えるはずです。
不動産屋の賃貸部門は、ネットショップになるのです。