バニラ・エアで起きた 「地獄絵巻」

 

バニラ・エアに関するニュースに驚きました。
半身不随の男性が搭乗する際、会社側の規則を守るため、階段に座った状態で、腕を使って独力で登った、ということです。
周囲の状況を含め、「地獄絵巻」です。

もともと自力で昇降できない人は搭乗できない規則があった
車いすごと抱えて登ってはいけない規則があった
両脇を抱えて登るのも危険なので禁止する規則があった
それらの規則をみんなが守った。
その結果が、「地獄絵巻」。

問題は規則が良かった悪かったではなく、その場で誰も手を出さなかった(出せなかった)こと。
小さな空港、小さな飛行機の話なので、たくさんの人が周りにいたわけではないでしょう。
しかし数人は取り囲んでいました。
その中を、一人階段をよじ登っていく男性。
その姿を目の当たりにしても、手を差し伸べることが出来ない人たち。
こんな国が他にあるでしょうか。
「お・も・て・な・し」 なんて恥ずかしくて世界に向かって叫べません。

以前、スターバックスジャパンの元社長の講演を聴いたことがあります。
スタバの「ミッション経営」は有名です。
「人々の心を豊かで活力あるものにするために
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」
大切なことは、このミッションはすべての規則に優越・優先するのです。
スタバにも規則はたくさんあります。
しかし、困っているお客を前にしたら、社員は自分の判断で一時的に規則を破って、お客のためになることをして良いのです。
それが「ミッション」です。

バニラ・エアの件は、バニラ・エアだけで起きることではないでしょう。
どんな規則に縛られていても、逆に素晴らしい「ミッション」がなくても、今回のような状況を目の当たりにしたら、迷わず近寄って手を差し伸べる。
そんな社員を育てていかなければいけないと強く感じました。

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