儲からない会社の外注費、「コスト計算の落とし穴」

 

ほとんどの会社で「外注費」は発生します。
会社によって業種によって、「外注加工費」であったり、「委託外注費」であったり。
いずれにしても外部の業者に仕事を依頼した際の費用ですね。
 
「外注費」という言葉には、
「自分たちでもできるけど、何らかの理由で業者に依頼する」
という意味合いがあるように感じます。
製造業なら部品の加工、小売業やサービス業なら店舗の清掃などのように。
業者に頼んだ方がいいのか、自分たちでやった方がいいのか。
この判断で間違ってしまう会社が結構多いです。
自社でも業者でも品質と納期に差がないのであれば、コストで比べることになります。
 
製造業での部品加工を例に。
①自社で製造したときのコスト  時給2,000円×10時間= 20,000
  (時給換算2,000円の社員が10時間かかる作業,)
②業者に外注したときのコスト  見積り17,000
 
この時に安いからといって、何の確認もせずに外注してしまうのは間違いです。
なぜなら外注に出している間に、社員が「遊んでいる」かも知れないからです。
社員は遊んでいても、給与が発生します。
そんな状況で外注に出すと、給与と外注費が同時に発生してしまいます。
これが外注費をめぐる「コスト計算の落とし穴」です。
「遊んでいる」は極端な表現ですが、フル稼働状態でないなら他の仕事をちょっとずつ詰めれば、自社でできる仕事かも知れません。
それが出来ればコストはゼロです。
つまり自社の製造現場がフル稼働しているのであれば外注するのが正解で、していない状態(余剰工数がある、といいます)であれば、自社でやるのが正解です。
 
小売業では、POPやチラシなどの「広告宣伝費」に大きなコストをかけています。
「広告宣伝費」の中には自分たちでできること、自分たちでやった方がいいことも混じっているかもしれません。
そういうものは実質的に「外注費」ですから、もう一度、自社でやるか、業者に頼むか、検討の余地があります。
 
儲からない会社、儲からない店には、安易に仕事を外に出す傾向があります
これは外部の才能を活用する、今どきの「アウトソーシング」とはまったく違います。
出来ることはすべて自分たちでやる、そうすれば会社の人・設備がフル稼働に近づきます。
どんな業種であれ、現場がフル稼働すれば利益は出やすくなります。
繰り返しになりますが、「自分たちで出来ることはすべて自分たちでやる」を徹底することが、儲かる会社への最短ルートです。

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