ゲームの「リセット」が遅れた、ジャパンディスプレイ

 

50代の私たち以上の世代が、十代、二十代の若い子に難癖をつけるとき、
「小さい時からゲームばかりしているから、何かちょっと難しいことがあると、すぐにリセットしようとする。
リセットすれば解決すると思ってる」

などと言うことがあります。
困難なことに正面から向き合おうとしない。
根気が足りない。
すぐ諦める。
すぐ会社を辞める。
ゲームの「リセット」が、安易で短絡的で、不真面目なことと考えてしまいます。

しかし逆に私たち世代の失敗の多くは、早めに「リセット」が出来ないことから起きているケースが多いのではないでしょうか。
東芝しかり、シャープしかり、ジャパンディスプレイしかり。

先日、ジャパンディスプレイの再建策が発表されました。
特別損失を1500億以上計上し、4000人を削減。
事業の一番の失敗は、「液晶」にこだわり過ぎたこと。
そのため、「有機EL」への転換が遅れ、韓国勢に相当な遅れをとってしまいました。

あんなに長い時間、心血注いで開発した「液晶」。
技術的にも世界一だ。
そんなに簡単にあきらめてたまるか。
もっと頑張ればなんとかなる。

こんな考え方は、中学の部活で、
とにかく、年中走る。
階段うさぎ跳び。
水を飲むのは禁止。
で仕込まれた私たち世代の性(さが)です。

若い子たちの、「安易なリセット」にももちろん問題はあります。
しかし同じように、私たち世代の「リセットできない習性」にも問題はあることを肝に銘じておきたいものです。

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