女性の活躍と「預金通帳」

女性の活躍と「預金通帳」

 

「貯金が趣味」という人は、ときどき預金通帳を開いて残高を確認するのがひそやかな楽しみかも知れません。

以前、ビジネスホテルチェーン大手の社長さんの講演を聴いた時、その中に預金通帳の話がありました。
そのホテルチェーンの支配人は大半が女性です。
ホテル(支店)ごとに会計を分けていて、支店の売上は支店の通帳に入れるそうです。
売上の段階で、本部が吸い上げることをせずに。
そして毎月の人件費、経費、本部経費もその通帳から支払う
そうすると自然と月末に残る通帳残高はその支店の儲け、「利益」です。
そのホテルチェーンでは主婦から支配人になるケースが多いとのこと。
通帳を見て家計の算段をする主婦の特性を生かしているのだそうです。

本部からの資料で自店の状況を知るのではなく、通帳の残高で知る。
自分たちがいい仕事をすれば通帳の数字が増える。
減ればもっと頑張んなきゃと思う。
分かりやすい仕組みです。

通帳の話以外に、もう一つそのチェーンの取り組みで、いいなと思う話がありました。
それは、給与の中にたくさんの手当があるということです。
アンケートでお客からお褒めの言葉をもらったり、掃除の仕方を改善したり、新しいサービスを提案したり、とにかくちょっといいことがあれば手当を出すのだそう。
人によっては月に5つも6つももらうことも。
金額は少額でも、いろんな手当があるということは、いろんな働きを見てくれているということ
それが従業員のやりがい・喜びになっているのです。
社長さんいわく、それも女性の特性に着目した施策だそうです。

これからは結婚・子育てで一度仕事をやめた女性が、もう一度社会に戻り第一線で活躍するのが当たり前になります。
女性を生かす仕組みをしっかり用意できるか、それが勝負の分かれ目になりそうです。

「家庭の味」を求めてはいけません

「家庭の味」を求めてはいけません

 

 

つい最近、新聞やニュースで、「日本の人口は、2053年に1億人を割る」との厚労省推計が発表されました。

働き手も、50年後には現在より4割減るとのこと。
数値の誤差はあるにせよ、だいたいそんな感じになるのでしょう。
 
働き手に関しては、若い人が増えることは絶対ありません。
現在就業率の高くない層、つまり高齢者や女性に期待するほかありません。
特に女性は、環境さえ整えば同世代の男性と同等の仕事が出来るのですから、まだまだ開発の余地がある人財ですね。
 
ところで台湾やシンガポールに旅行した時の楽しみは、夜街をブラブラしながら、その辺の食堂や屋台で食べたり飲んだりすることです。
どの店もお客がいっぱいで賑やかなのも、旅の楽しさを演出してくれます。
聞くとシンガポールでは、ほとんどの家庭で女性は料理をしないとか。
共働きが当たり前なので、女性が料理を担当する理由がないのです。
だからどの家庭も夕食は家族で外食なんですね。
 
日本も今後、本気で女性に働いてもらいたいなら、「家庭の味」「おふくろの味」などを求めてはいけません
女性に「労働力」と「家庭の味」を同時に求めてはいけないのです。
そもそも核家族が主流になった頃から、子育ての負担が集中する女性に「家庭の味」を求めてはいけなかったのかも知れません。
一つを手に入れるためには一つを手放さなくては。
 
将来は「家庭の味」が無くなる代わりに、定時に仕事を
終え、家族や夫婦やパートナーと待ち合わせての外食。
今よりも、大切な人とゆっくり過ごす時間も増えるでしょう。
悪くない未来です。