マツダは新型エンジンで、逆張り戦略を手に入れた


マツダが来年投入する新型エンジンは、どえらいエンジンです。
今流行りのハイブリッドやディーゼルではなく、もちろんEV(電気自動車)でもない、ガソリンエンジンです。
「HCCI燃焼」という究極の高効率燃焼理論を、世界で初めて実用化したのです。
この新型エンジンで、燃費は従来比30%アップするとのこと。
小型のデミオクラスで、燃費は24.6 → 32.0km/Lに伸びます。
ハイブリッドのアクアが37 km/L、フィットが33.6 km/Lですから、ガソリン車でありながらかなり近い数字を叩き出しているのです。

それにしても毎日のように新聞紙上に、自動車業界がEVに向かっている記事が載っている今、なぜ新型ガソリンエンジンなのか。
非常にタイミングの悪い開発のようにも見えます。
しかしこのマツダのHCCI実用化には、重要な意味があります。
それは究極のガソリンエンジンに辿り着いたという意義です。

今、欧州各国は、EVへの転換競争を始めています。
フランスでは2040年までに純粋なガソリンエンジン、ディーゼルエンジンの生産・販売を禁止するとの声明を出しています。
つまりEVやハイブリッドなど、モーターを積んだ車しか認可しないのです。
そういう国の方針に沿って、ボルボなど自動車メーカーもEVへの完全移行を計画しています。

このEVへの完全移行を目指す目的は、環境負荷の軽減と、排ガスによる健康被害の抑制。
確かにその目的に照らして車1台を比べれば、EVに分があります。
しかしそもそも、その電気がどう作られて、どう運ばれてくるかが決まらなければ、EVへの転換が環境負荷を軽減するかどうかは分かりません。
発電所でバンバン石炭や石油を燃やして、その電気でEVを走らせては、目的から外れてしまいます。
つまり、世界がEVへの転換に向かうのは間違いないのですが、100%EVになるのがベストかどうかは、まだ誰にも判断できないのです。

20年後のエネルギーのベストミックスの状況によっては、ガソリン車も一定割合で残る可能性もあります。
もし一定割合でガソリン車を残すなら、それはマツダが実用化したHCCIでしょう。
どの会社も実用化を目指していたHCCI。
それをいち早く手に入れたマツダは、EV化の逆張り戦略も手に入れたと言えるかも知れません。
大成功の可能性もアリです。


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