信用創造は「銀行が貸出をすると、世の中全体のおカネが増える」ことです。
繰り返しになりますが、銀行ではないAさんがBさんにお金を貸しても、世の中全体のおカネは増えません。
ところで信用創造の反対は「信用収縮」です。
だいたいお分りかと思いますが、銀行が貸出を回収すると世の中のお金がそれだけスッポリなくなってしまいます。
ブラックホールにお金が吸い込まれるように。
沼に札束を投げ入れたイメージでも良いかも知れません。
これが銀行ではないAさんがBさんからお金を返してもらったのであれば、世の中全体のおカネは減りません。
このように、銀行の貸出・回収は世の中全体のおカネの量に大きな影響を与えるのです。
30年前のバブル景気の頃は、銀行が思いっきり信用創造をしていました。
その後、国主導で銀行が一気に信用収縮に動いてしまったために、日本経済はズタズタになってしまいました。
銀行の信用創造・収縮機能が日本経済を壊すほどの作用をしたんですね。
今でも銀行の信用創造の影響力は相当大きいと考えます。
銀行貸出が増えなければ世の中のおカネが増えません。
中小企業をとりまく景況感が今一つ上がってこない要因は、銀行貸出が伸びていないことが大きな要因ではないでしょうか。
最後に「信用創造」に関する小さな提案を一つ。
最近銀行は貸出をしたくても、案件を見つけられない状況にあります。
一方中小企業の貸借対照表の中には、親会社からの貸付やオーナー個人からの貸付が結構あります。
そういう貸付を片っ端から銀行が肩代わりしてはどうでしょうか。
親会社やオーナーからの貸付では世の中のおカネは増えません。
銀行が貸出すれば信用創造で世の中のおカネが増えます。
その恩恵として、親会社やオーナーの手元に資金が入り、何かを買ったり投資したりする余力が生まれるのです。
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