銀行取引で今やっておくこと、「連帯保証なし借入」

地方銀行の貸出意欲は依然旺盛です。
しかし私たち企業側に特段の資金需要がなければ、要らないお金を借りたくないので、ひたすら銀行の提案を断りつづけることになります。
ただ、こういう企業側に資金的余裕があり、借り手優位な状況で、試しておきたいことがあります。
それは「代表者の連帯保証」を付けない借入を起こすことです。

2013年に日本商工会議所と全国銀行協会が一緒に取り決めた「経営者保証に関するガイドライン」というものがあります。
日本商工会議所が「企業」を代表し、全国銀行協会が「銀行」を代表してまとめた「自主ルール」です。
その中では、中小企業が銀行から資金調達するとき、特別な理由が無ければ「代表者の連帯保証」を条件にしないことを謳っています。

30年前、私が銀行で融資業務をしていたころ、融資先の大半は中小企業で、代表者を連帯保証にとることは当然のことであり、それに疑問を持つことすらありませんでした。
入行2年目に、上場企業の子会社の短期貸付の稟議を書く機会があり、そのとき初めて「連帯保証人欄に斜線を引く」という経験をしました。
大企業は連帯保証人をつけなくてもいいんだ、と知りました。

前出の「ガイドライン」が出た後も、依然中小企業の「連帯保証」に関して取引銀行の態度に変化はありません。
銀行側から、
「御社の業績・財務を勘案すれば、連帯保証は必要ないということになりました」
とは言ってくれません。
ですから、こちら側から持ち掛けるのです。

銀行から借入してほしいと依頼があった時がチャンス。
「連帯保証をつけないなら、考えてもいいですよ」と答えます。
この時、欲張って既存借入をすべて「連帯保証なし」にしようと考えてはいけません。
ハードルが上がってしまいます。
大切なのは「実績づくり」です。
少額でよいので、新規借入を「連帯保証なし」にできれば、それは将来に向けての布石になります。

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