地方の高卒採用事情、求人倍率2倍の異常

採用
昨日、「県内就職促進協議会」に参加してきました。
県が主催するこの協議会は、「高校の進路指導担当者」と「企業の採用担当者」との出会いの場です。
県としては、就職希望の高校生が県外に出ることなく、地元に残ってくれるよう、高校と県内企業のマッチングに必死なのです。
人口減問題を抱える地方自治体にとって、高校生の県外就職も悩みのタネなんですね。
 
その協議会でもらった昨年の高卒者就職状況の資料によると、
県内企業求人倍率 1.71
②県内就職内定者 : 県外就職内定者 = 80 : 20
つまり県内の就職希望高校生の数に対し、1.71倍も企業は求人しているのに、生徒の2割は県外に出てしまうのです。
そうすると
県内就職者に対する県内企業求人倍率 2.14
に跳ね上がってしまいます。
県内の企業が地元の高校生を採用しようと思っても、採りたい人数の半分も採用できない勘定になります。
 
「半分採れればいいじゃないか」
と言われそうですが、現実は違います。
一社一社が希望数の半分を採用できるわけではありません。
現実は、高校生の「行きたい会社ランキング」で上位半分の会社は希望数確保、下位半分の会社は採用「0となるのです。
つまり、上場企業やそれに準ずる中堅企業、または高校生でもなじみのあるB to C企業などでほぼ満了してしまうのです。
 
そんな状況ですから、内定率は昨年も99.6%。
「全員合格」です。
希少な工業高校ならともかく、普通科も含めてのことですから、すごいことです。
「どんな子でも採用される」という状況は、それはそれで異常な気がします
 
まあ我々もそんな評論じみたこと言ってる場合ではありません。
これから始まる難しい採用活動、いい縁がありますように。

会議で「モチベーション」が飛び交ったら要注意 !

会議で「モチベーション」が飛び交ったら要注意 !

 

会議で、「モチベーション」という言葉が矢鱈と飛び交うようになったら、要注意です。
社員のモチベーション、部下のモチベーション、アルバイトのモチベーション
業績が上向かないのは、モチベーションを喚起できていないからだと。
 
しかし、本当に業績が上がらないのは、モチベーションのせいでしょうか。
少なくとも、直接的な原因はそうではないでしょう。
例えば、お客が店でモノを買うとき、店員のモチベーションの有無を確認して買うわけではありません。
確認するのは、品質、価格、ディスプレー、接客
それらを総合的に、または直感的に判断して、買う・買わないを決断します。

ですから、店の業績を上げるためには、品質・価格・ディスプレー・接客のレベルを上げる以外ありません。
そしてそのレベルアップの手段は、担当者の「アクション(行動)」以外ありません。
どんな素晴らしいアイデアやモチベーションを持っていても、「アクション」されなければ、業績アップにつながりません。
会議でフォーカスされるべきは、「モチベーション」ではなく、「アクション」なのです。

そもそも「会議」は、課題を解決するために行います。
➀解決したい課題を分析して、いくつもの小さい課題に分解する
➁その小さい課題で対策が打てそうなものを選び出す
➂その対策を「アクション」レベルで書き出す。
➃そのアクションに優先順位、担当者、対策期限を設定する
このように、小さい課題に対してアクションを起こすことで、元の大きな課題の解決を目指すのです。

ところが会議で「モチベーション」にフォーカスすると、そこで課題の分解はとまってしまいます
「モチベーション」は分解しにくい漠然としたものだからです。
そうなると会議は、最も解決困難なテーマ「モチベーションの充填」に時間を費やすことになります。、
そして最後に辿り着く結論は、「モチベーションアップ研修が必要」などということになります。
課題解決からどんどん遠ざかってしまうのです。

もちろん、「モチベーション」は大切です。
モチベーションはアクションを継続するための「燃料」だからです。

しかしそれは、ガソリンスタンドのように簡単に充填できる燃料ではありません。
こじつければ、走っているうちに生み出されるハイブリッドの電気のようなものでしょう。
アクションを起こした人だけに「モチベーション」は生まれるのです。

繰り返しますが、会議で議論すべきは「モチベーション」ではなく「アクション」です。

ゴルフ練習場に転がっている「10円玉」

ゴルフ練習場

 

ゴルフ練習場に行くと、フェアウェイにたくさんボールが転がっています。
お客さんが打ったボールですね。
ゴルフ練習場の経営者から見ると、あれはボールではなく「10円玉」です。
正確に言えば練習場によって8円玉だったり15円玉だったり。
お客の打球音の数だけ10円玉が飛び交っているのです。
 
以前ゴルフ練習場の立ち上げに携わったことがあります。
最初のボール単価の設定は非常に悩みます。
近隣の練習場の価格を調査したり、売上予測から損益のシミュレートをしたり。
それでも確たる自信もないままに、決定した料金は、
「いつでも19円、その他の料金一切なし」でした。
 
練習場の多くは入場料や夜間照明料を取ったり、土日の単価を上げたり、平日8時以降の単価を下げたり、非常に複雑な価格体系になっています。
見方によってはお客の足元を見た「取らんかな」の価格体系にも思えます。
 
結果、「いつでも1球9円」はお客さんにとても歓迎されました。
毎日会社帰りに20だけ打って帰るシングルプレイヤーもいらっしゃいます。
また、予想していなかったことですが、土日早朝のお客が非常に多く、それはゴルフ場に行く前に30練習する方々だそう。
「いつでも9」をお客さんは、「チョイ打ちOK」と受け取ってくれているのです。
 
余談ですが、今タクシー業界も初乗り料金を下げる動きがあります。
運転手の機嫌を伺うことなく、「チョイ乗り」が出来たら、もっとタクシーを使うのではないでしょうか
 
入場料や初乗り運賃を出来るだけ下げて、お客さんが「チョイ打ち」「チョイ乗り」しやすくすれば、確実に客数増・売上増につながります。
なぜなら、「チョイ打ち」「チョイ乗り」したいお客さんは、現在取り込めていないお客だからです。

「がめつい」社長たち

「がめつい」社長たち

 

これまでにお付き合いがあった社長の中には「がめつい」人が何人かいます。
そういうがめつい社長たちはよく似ています
 
前日の売上が悪ければ、マネージャーに電話して長々と怒鳴り散らす
安月給のマネージャーに。
売上が良ければすこぶる機嫌がいい。
何か思いついたら、熟考することなく、すぐあっちこっちに電話する。
声が大きい。
傍若無人。
会社が儲かれば法外な役員報酬をとる。
家族を役員にして役員報酬をとる。
一緒に喫茶店に入っても、めったに財布を出さない。
業界の中でも煙たがられる存在。
仕入先に無理難題押し付ける。
あんなに頼み込んで入った商業施設なのに、売上が悪いとすぐ撤退しようとする。
 
尊敬できるところを挙げろと言われても困ってしまいます。
決して経営雑誌に特集されることはないでしょう。
もちろんカンブリア宮殿にも。
 
しかし私が知っている限り、そんな社長たちの会社はことごとく儲かっています
しかも長い年数連続で。
私が知っているがめつい社長たちの会社、アパレル、雑貨、鈑金、ビル清掃など業種によらず、よく儲かっています。
 
 
「がめつい社長」を変わり者として切り捨てることは簡単です。
しかし、そのがめつさと業績の関係を考察することなく切り捨てるのはもったいない気がします。
上に書き並べたことの中にも、学ぶべきところがいくつもあるのではないでしょうか。

よく考えてみると、私にはマネできないことばかりです。

「人」を評価するのではなく、「仕事」を評価する

「人」を評価するのではなく、「仕事」を評価する

 

 

多くの会社で、半年もしくは一年に一回、人事評価をします。
「社員を正しく評価する」というのは簡単なことではありません。
しかしそれをよけい難しくしているのは、評価者(上司)の認識不足によるケースも多いです。
 
以前人事コンサルタントから
「人事評価というのは、人を評価するのではなく、仕事を評価すること
と教わりました。
これは金言です。
人事評価が難しくなるのは上司が部下の「人」を評価してしまうからです。
 
人を評価しようとすると、人の内面にまで踏み込んでしまいます。
仕事を評価するなら、目に見える成果物や言動を評価すれば良いのです。
 
人を評価しようとすると、上司の先入観や好き嫌いが影響します。
仕事を評価するなら、客観的に評価しやすくなります。
 
人を評価すると、それに対する対策も「人を改善する」ことになり、非常に難しくなります。
仕事を評価すれば、それに対する対策は「仕事の仕方を改善する」ことになり、即効性があります。
 
「仕事を評価する」というと、表面的な評価になってしまうように思われるかも知れません。
決してそんなことはありません。
仕事の成果物を増やしたり言動を改善していくには、当然部下の内面の変化・成長も必要です。
大切なのは上司と部下が「仕事をどうするか」を話し合うことで、間接的に部下の内面の成長を促すということです。
 
最悪な面談は「そもそもお前は・・・」と部下の内面に切り込むことから始める面談です。