勉強なんかするな !

勉強なんかするな !

 

 

女子プロゴルフLPGAの賞金ランキングは現時点で、トップ3をすべて韓国の選手が占めています。

「プロゴルフの世界では男子も女子も韓国は強い」というのが定説になっていますよね。

私は10年くらい前、仕事でよく韓国に行っていました。
その頃すでに韓国のゴルフ選手たちは米国・日本で活躍していました。
私は現地のビジネスパートナーと夜食事をしながら、なぜ韓国のゴルフが強いのか訊いたことがあります。
 
いろんな話が出てきたのですが、その中で一つ印象的な話がありました。
それは、自分の子供をゴルフの専門学校的な高校に入れた熱心な親は、
「勉強なんかするな。ゴルフに集中しろ!
と叱咤激励するという話です。
もともと日本以上に受験戦争が熾烈で、親の教育熱も高い国ですが、その熱がゴルフにも向かっているんですね。
 
この「勉強なんかするな」という言葉はわれわれ日本人には衝撃的な言葉です。
日本ではまず聞けない言葉ではないでしょうか。
日本では文武両道が良しとされます
一流のアスリートを目指す子供にも「勉強しなくてもいい」とはまず言わないでしょう。
むしろ「一流のアスリートを目指すなら、一流の学識を身につけろ」くらい言いそうな感じです。
 
でも子供の立場になってこの「勉強なんかするな」を見直すとどうでしょう。
やらなくていいことを明言されると、やるべきことが明確になります
子供たちは得意なことに集中できるかも知れません。
日本が誇る世界トップクラスのアスリート、松山君・錦織君・大谷君などは考え方や発言も素晴らしいです。
でもそれは学校の勉強で身につけたものではなく、一流のアスリートになるプロセスで身につけたものではないでしょうか。
 
「勉強なんかするな」という言葉は無謀にも聞こえますが、われわれ日本人の教育について再考させられる、印象的な言葉です。

北朝鮮のトップの「決断」

勉強なんかするな !
北朝鮮を巡ってにわかに不穏な空気が漂ってきました。
米軍の先制攻撃の可能性もあり、というきわどい報道もあります。
 
現在の北朝鮮問題を見ていて、「トップの決断」について考えさせられました。
415日、北朝鮮は核実験をするのか。
すれば米国からの攻撃を受けるかもしれない。
しなければ国内で、米国に屈したとみなされる。
 
一方、もし核実験があれば、米国のトップも重たい決断を迫られます。
先制攻撃すれば東アジアに甚大なダメージを与えることに。
しなければ北朝鮮の核武装を容認したことになる。
 
すべては両国のトップの決断です。
これほどまで重たい決断は、日本のトップにはないでしょう。
 
北朝鮮も米国も、トップは自国内で強力な権力をもっています。
そう考えると「権力」と「決断」はセットなんですね。
北朝鮮の最高指導者をテレビで見ている分には、強権的で独善的で奔放な部分しか見えませんでした。
しかし今この時、世界で一番重たくて繊細な決断を迫られています。
「権力」がある限りは「決断」から逃げることは出来ないのです。
 
会社経営においても、「権力」を握る社長は「決断」から逃げることは出来ません。
自分で「決断」せずに下に委ねる社長もたまにいますが、そういう社長は「権力」も放棄しなければいけないのです。

ネット販売にも、強力な「接客」がある

ネット販売にも、強力な「接客」がある
私が財務でお手伝いをしている会社の中に、ジュエリー(宝石)の加工販売会社があります。
その会社が5年前、ネット販売(EC)を始めました。
その会社の商品の価格帯は平均30万〜50ですので、ライトジュエリーと言われるものよりアッパーグレードになります。
 
私はそんな値段の商品を
①現物を見ないで
②インターネットで(店舗も見ないで)
買うかなー、と当初は懐疑的でした。
 
ジュエリーの伝統的な売り方は、ご存知の通り、ショーケースを挟んで対面販売するスタイルです。
店によっては、一度食らいついたら放さない凄腕店員さんがいたり。
良くも悪くも「接客で売る」のが一般的です。
その接客なしには数十万のジュエリーなんて売れないんじゃないか、と懸念したわけです。
 
結果、私の予測は外れ、そのECは現在月商数千万になり、会社全体の売上の半分以上を占めるようになりました。
「接客なしには数十万のジュエリーは売れないんじゃないか」
という私の懸念は、見事に外れました。
私の最大の間違いは、「接客なしに」の部分でした。
実は、ネット販売でもしっかり接客をするのです。
もちろんショーケースを挟んでではなく、メールを使ってです。
数十万のモノを買おうとするお客様は、さすがにホームページを見ただけで「購入ボタン」をポチッとは押しません。
やはりメールや電話で問い合わせをしてきます。
それに対してメールで応えるわけですが、購入までにお客と何度も「メールのキャッチボール」をします。
 
実はこの「メールのキャッチボール」は、強力な接客なのです。
実店舗で凄腕店員に強烈な接客を受けても、何とかその場を切り抜けて店を出さえすれば、その接客からは解放されます。
しかしメールでやり取りする場合は、お客からの質問にすぐに返答メールを送れば、ボールは常にお客側にあります
大げさな言い方をすれば、お客は24時間このボールを持たされるのです。
つまりお客は、このメールを使った「接客」の中に24時間いることになるのです。
 
もともとSNSなどのネットでのつながりは、実際に会うよりも、気軽なものであるはずでした。
しかし「既読スルー」で多くの事件が起きているように、大半の人がネットでの人間関係に縛られているのです。
 
メールを使ってのお客とのやり取りが、店舗での接客に比べて決して弱いものではないということは知っておく必要があります。

東芝ショック ! で考える、監査法人の存在意義

東芝ショック !

 

 

東芝が監査法人の意見表明がないまま決算発表をしました。

いろんな事情はさておき、「意見不表明」とは納得できません
 
上場企業は監査法人の監査を義務付けられています。
であれば、指定されている監査法人は期限内に監査報告する義務があるはず。
「承認」「否認」「条件付き承認」「懸念事項表明」
本来の確定したものへの承認でなくても、何か意見を付けてほしいです。
「意見不表明」じゃあルール的にまったく決算発表にならないでしょう。
安くない監査料を取っているんだし。
 
ところで今日、テレビのニュースで監査法人トーマツが「AI(人工知能)」を導入しているのを見ました。
いいことです。
そもそも東芝に限らず、「企業の活動」に「監査法人の監査能力」が追い付いていないのです。
上場企業の目論見書や有価証券報告書を読んでも、ありきたりのことしか書いてありません。
リスクについての開示にしても、誰もが知っている内容だけ。
上場企業の監査は、「有価証券報告書」の書式にその年の数字を入れ替えている程度に見えます。
そういう仕事しかしていなければ、企業の変調にも鈍感になってしまいます。
いざ東芝のような問題が噴出したときに、監査が機能しない実態が露呈するのではないでしょうか。
 
莫大な数字の中から企業の変調を見つけるのは「AI」に任せた方が絶対にいいです。
でもそうなると監査法人は本当に必要なのでしょうか。

銀行との付き合い方① 「追えば逃げる、逃げれば追う」

銀行
追えば逃げる、逃げれば追う。
これは恋愛話ではありません。
私たち中小企業と銀行との関係です。
 
「銀行は晴れの日に傘を差し出し、雨の日に傘を取り上げる」
昔からよく使われる表現ですが、銀行もそこまで殺生ではないでしょう。
しかし銀行を「金貸し」と割り切って考えるならば、金貸しのスタンスとしては傘の話も納得できます。
 
私たち個人レベルでも、知り合いから
「今度ウチの会社、上場するんだ。今のうちに
10万円で株を買っとかない?
と勧誘されたら、非常に警戒します。
逆に、投資を勧誘されることもなく「上場話」を聞けば、何とか今のうちに10万でも株を買えないかと考えます。
勝手なものです。
銀行も同じでしょう。
 
ですから、会社が銀行を追うのではなく、銀行に追いかけてもらわなければいけません。
そのためには
① 少しその銀行から逃げる(距離を置く)フリをする
② 他の銀行から大切にされていることを匂わせる
ことが大切です。
 
会社が一つの銀行をメインバンクと位置付けるのは自由ですが、
銀行取引の中でそれを主張することは、効果的な方法ではありません。
「この融資はメインバンクの貴行に是非お願いしたい」なんて言われたら、銀行は「重たいなあ」と引いてしまうかも知れません。
 
恋愛では、二股三股は厳禁です。
逆に銀行取引では「あなた一筋」が厳禁です。
上手に二股三股しましょう。