現場スタッフの「為になる財務勉強会」

実現可能性の高い「中期経営計画」
中小企業の社員向けに、その会社の決算書を使って財務勉強会を開くことがあります。
役員や幹部社員ではなく、現場を実際に動かしているマネージャーや一般社員が対象です。
 
社員に決算書を見せることは経営側からするといろいろ懸念されることもあり躊躇しがちです。

であれば無理にすべてをオープンにする必要はありません
差し障りのないところだけ使えばOKです。

 
一般的に貸借対照表は損益計算書に比べてその仕組みが理解しにくいので、勉強会も損益計算書に比重を置きがちです。
しかし私は逆に貸借対照表に78割の時間を割きます
かといって流動比率や固定比率など、現場を切り盛りする社員に必要のないことはまったく触れません。
 
時間をかけるのは、固定資産の科目を一つずつ確認することです。
土地は全部でいくら、その内訳を付属明細で確認します。
建物や構築物、什器備品は減価償却資産台帳で中身を確認します。
これをやると、社員たちは自分たちがいる店や工場、使っている備品が一つずつ帳簿で価格管理されていることを知り、その価格に興味を持ちます
例えば、
本社の敷地って2,500㎡もあるのかー、とか。
あのフォークリフトって18年前に買ったとき350万だったんですね、とか。
店舗内装の耐用年数ってすごく長いんですね、とか。
 
ここで期待したいことは、
①自分たちが商売するため、モノづくりをするために使っている一つ一つの物がすべて購入価格-減価償却=現在価格で管理されていることを知ること
無くしたり壊したりすると損失が発生し、代わりに新しいものを買うとまた高い金額から償却費用が発生すること
 
現場の社員たちは、自分たちの周りにある店や工場や什器やフォークリフトや溶接機に毎日コストが発生していることが実感として分かっていないんです。
それを数字で確認することで、周囲の物の見え方が変わってきます
是非お試しください !

目をつむって25メートルプールを泳ぐ、ような経営

目をつむって25メートルプールを泳ぐ、ような経営
小学生の頃プールで、目をギュッとつむったまま泳いだことがあります。
目を開けるのがイヤで。
25メートル先のゴールを目指して必死に手足をバタバタ、何とかゴール。
と思いきや目を開けてみると、着いたのはプールの横側(長い方)でした。
何度やっても結果は同じ。
コースレーン(浮いてるやつ)のないプールで目をつむったまま、まっすぐ泳ぐのは、思いのほか難しいことなんですね。
 
私は「思い」と「やる気」と「勘」を頼りに必死に頑張る経営者を見ると、いつもこの25メートルプールのことを思い出します。
それでもプールはどこかにたどり着くから良いのですが、ビジネスでは間違っても、たどり着くプールサイドすらありません。
さらに不幸なことに、「思い」と「やる気」と「勘」が強ければ強いほど、方向を失ったときに目標から大きく離れてしまいます。
頑張る社長の倒産劇はこのパターンが多いです。
 
会社経営で、「目をつむる」は数字を見ないこと
頑張る社長は、少しペースを落として時々立ち止まる必要があります。
立ち止まって、現在の立ち位置や目標の方向、前回立ち止まったところからの距離などすべてを数字で把握しなくてはいけません。
 
そして経営者の一番大切な仕事は社員が安心して思いっきり泳げるように、コースレーンを張ってあげることではないでしょうか。

恩師に学んだこと

恩師に学んだこと
大学時代のゼミの先生とは、長いお付き合いはできませんでした。
というのも、私が3年生の12月に、50歳の若さで癌で亡くなられたからです。
ゼミ幹事だったので、代表でお葬式に参列したのを覚えています。
 
先生は、お父様がW大の総長をされたほどの学者一家の出。
ご本人も計量経済学の第一人者として将来を嘱望される学者でした。
短い期間ではありますが、ゼミの中で先生から学んだことがあります。
それは
「本当に理解できるまで立ち止まって徹底して考える、分かったフリをして先に進まない」
ということです。 
私たちのゼミで、よく起きていたことは、「中断」です。
ゼミは、学生がミクロ経済学のテキストを解説する形で進行します。
その解説を先生が止めて、考え込んでしまうのです。
その「中断」が1時間以上続くこともしょっちゅうでした。
正直私たち学生には、先生がどこに引っかかっているのかすら分からないのですが、とにかくその間静かに待ちます。
 
ところで、ミクロ経済学というのは、今考えても「どこまで役に立つんだろう」と思ってしまいます。
リンゴを1個手放す代わりにバナナを何本もらえば満足するか、というようなことを、式やグラフにします。
この場合、リンゴとバナナの個数をそれぞれXYにすれば、満足度合を平面のグラフで表現できます。
これにミカンが加わるとZが加わり、立体的な三次元のグラフで満足度合を表現することになります。
三次元に生きる私たちにとって、ここまでは何とかイメージできます。
問題はここにブドウが加わった時です。
バナナ1個とリンゴ1個を手放す代わりに、ミカン何個とブドウ何個がほしいか。
こうなると、四次元の世界ですから、私たちにはそのグラフをイメージすることはできません。

 

しかし、先生は出来るのです。
頭の中に四次元グラフがあり、それぞれの個数を動かすことが出来る(ようです)。
そんな非常に頭の良い先生が、学生の前でカッコつけることなく、1時間以上も考え込んでしまう。
分からないこと、腑に落ちないことを絶対置き去りにしない。
その姿勢がハンパないのです。

一つの物事を自分の中に取り込もうとして、それがスッと「理解の棚」に収まらなかった時、例の「中断」が起きます。
取り込もうとする物に問題があるのか、自分の棚に問題があるのか、
その煩悶の時間が「中断」なんですね。
 
「分からない」と言うことは、恥ずかしいことではない。
「分からない」と言える人は、本物の自信をもっている。
先生の姿勢を見て感じたことは、今でも教訓として自分の中に残っています。

経営会議で「資金繰表」の活用を

経営会議で「資金繰表」の活用を
多くの会社で月に一度「経営会議」をします。
私も毎月数社の経営会議に出席します。
 
大半の会社の経営会議メニューは
①先月の売上・利益状況を確認
②今月の目標の確認
③重要案件の協議と承認
④その他の情報共有
くらいでしょうか。
 
私はここに必ず
資金繰表の確認
を入れます。
この資金繰表は経理ソフトで自動に作成されるものでOKです。
(逆に経理担当者が実務で使うものは細かくなりすぎて、使いにくいです)
 
改めてですが、会社が倒産しないための条件は
・継続して利益が出ていること

・継続して資金が(会社で決めた)基準以上にあること

2つです。
片方だけではダメです。
 
ですから毎月幹部全員で、
「損益計算書」でどれだけ利益が出たか、
「資金繰表」でどれだけ資金(現預金)があるか、
を確認することが「倒産しない会社」にするためには重要です。
資金が大きく増減している場合は、みんなでその原因を突きとめます。
その探し当てるプロセスが、出席者のキャッシュフロー感覚を養います。
 
経営者や財務・経理担当だけでなく、むしろ営業や製造部門の責任者にキャッシュフローに敏感になってもらうために、経営会議での資金繰表の活用をおすすめします。

シビアなスポーツ、ゴルフ !

シビアなスポーツ、ゴルフ !
私の数少ない趣味の一つ「ゴルフ」。
キャリアはもう30年近く。
しかし大きな進歩もないままここまで来てしまいました。
 
ゴルフには、他のスポーツにないシビアさがあります
それは一番ヘタな人が一番難しい場所(ライ)から打たなくてはいけない、ということ。
つまり一番技術を要するショットを求められるのです。
 
4人でラウンドすると、1打目こそ全員同じところから打ちますが、
2打目からは上手い人とヘタな人の運命が大きく分かれます
一番上手い人は、ふかふかのフェアウェイから2打目、楽々ナイスオン。
一番ヘタな人は、クラブを3本持って山の斜面を駆け上がり、
転げ落ちそうなところから2打目、結果さらに地獄へ。
ヘタな人のスコアが加速度的に悪くなるのがゴルフです。
 
この理屈はビジネスでも通用します。
ビジネスにおいても、失敗して行きついた場所は、いいショットが出にくい難しい場所なのです。
そこから次の手を打っても、いい結果につながる確率は極めて低いでしょう。
悪いショットをしてしまったら、まずはフェアウェイに戻す
そして良いライから次のショットを打つべし。
ゴルフもビジネスも肝に銘じておきたいものです。
なかなかそうはできませんが・・・。