「人」を評価するのではなく、「仕事」を評価する

「人」を評価するのではなく、「仕事」を評価する

 

 

多くの会社で、半年もしくは一年に一回、人事評価をします。
「社員を正しく評価する」というのは簡単なことではありません。
しかしそれをよけい難しくしているのは、評価者(上司)の認識不足によるケースも多いです。
 
以前人事コンサルタントから
「人事評価というのは、人を評価するのではなく、仕事を評価すること
と教わりました。
これは金言です。
人事評価が難しくなるのは上司が部下の「人」を評価してしまうからです。
 
人を評価しようとすると、人の内面にまで踏み込んでしまいます。
仕事を評価するなら、目に見える成果物や言動を評価すれば良いのです。
 
人を評価しようとすると、上司の先入観や好き嫌いが影響します。
仕事を評価するなら、客観的に評価しやすくなります。
 
人を評価すると、それに対する対策も「人を改善する」ことになり、非常に難しくなります。
仕事を評価すれば、それに対する対策は「仕事の仕方を改善する」ことになり、即効性があります。
 
「仕事を評価する」というと、表面的な評価になってしまうように思われるかも知れません。
決してそんなことはありません。
仕事の成果物を増やしたり言動を改善していくには、当然部下の内面の変化・成長も必要です。
大切なのは上司と部下が「仕事をどうするか」を話し合うことで、間接的に部下の内面の成長を促すということです。
 
最悪な面談は「そもそもお前は・・・」と部下の内面に切り込むことから始める面談です。

麻布十番の焼き鳥屋で盗み聞き

麻布十番の焼き鳥屋で盗み聞き

 

 

知人と麻布十番の焼き鳥屋で食事をしていたときのこと。
私たちより少し後にバックパックを背負った30歳前後の男性が入ってきました。
待ち合わせをしていたらしく、すぐに同世代の男性2名が来ました。
その2人もバックパックでした。
3人の話が始まり、なんとなく聞こえる話を聞いていると、だんだんそっちが気になってきました。 
どうも3人は大学か最初の会社が一緒で、今はそれぞれ違う仕事をしているよう。
で、その日は久しぶりのミーティング。
一人は自分で事業を起こしているが、今は少しトラブルを抱えている。
一人は会社で仕事をしながら、自分で福祉関係のアプリを開発している最中。
もう一人も何か起業を考えているよう
 
で、聞こえてくる会話は
「今度のGoogle翻訳すごいよな。もうビジネス文書だったら英語の勉強なんか必要ないんじゃない ?」
仕事でトラブルが起きるのは、悪いことじゃないと思うよ。
ちゃんと前に進んでるってことじゃん
「会社の仕事なんて、昼までに済んじゃうよ。
だから昼からはずっと自分のアプリ作ってる
今独立することにそれほどリスクはないんじゃないかなー。
もし失敗したって、そのあと仕事に困ることなんてないでしょ
などなど。
 
起業家を目指す若者たちが、麻布十番の焼き鳥屋で情報交換。
六本木ヒルズに近いこの辺りではよくある光景かも知れません。
しかし、実際に若者が熱っぽく話しているのを見ると、何か嬉しい気持ちになりました
 
それともう一つ。
昭和生まれの私は、バックパックを背負って会社に行く、それも自転車に乗って、というのはどうもうさん臭いイメージをもっていました。
ちゃんと仕事してるのなかあ、と。
でも今回、少し見方が変わりました。
バックパッカーも結構ちゃんとしていて、やりたいこと見つけて頑張ってるんだと。
応援したい気持ちになりました。
 

世界経済で一番大切な指標、「米国雇用統計」

グラフ

 

世界の金融マーケット(外国為替、金利、株価など)の動きを予測するうえで、一番重要な統計は、「アメリカの雇用統計」です。
と教えてくれたのは、銀行時代の上司です。
 
二十数年前、銀行本店のスワップ・オプションなど金融商品を取り扱う部署に、研修員として3か月ほど在籍していました。
それまで支店で中小企業担当として外回り営業ばかりしていたので、為替や金利の動きにそんなに詳しいわけありません。
それなのに着任2週目から、支店に毎日配信する「本日のマーケット情報」を書くよう命令されました。
それからの1ヵ月間、毎朝前日のチャートを見ながら、毒にも薬にもならない説明文を作り、FAXで全店に配信していました。
チャートを見れば誰でも分かるようなことを、もっともらしい文章にして。
それでも300店舗以上ある支店からは一回もクレームらしいものが来ませんでした。
それは、いかに支店の人間がまともに見ていないか、という証拠でしょう。
 
ただ一度だけ、その部署の副部長に呼ばれ指導を受けたことがあります。
それが「アメリカの雇用統計」です。
月に一度発表される雇用統計の日に、それに触れることなく文章を作って配信してしまったのです。
副部長いわく、
「アメリカの雇用が改善すれば、アメリカ国内の消費が拡大、輸入増、ドル高、世界経済安定推移、となる。
雇用が悪化すればその逆の動き。
アメリカの雇用統計は世界中のアナリストが一番注目している数字だ」
とのこと。
 
それ以来、新聞やニュースで「米国雇用統計発表」とあると、反射的に注視してしまいます。
 
今月5日発表された4月の米国雇用統計は、失業率が4.4%と10年ぶりの低水準、かなり良い数字になりました。
さっそくマーケットに反映されているようです。
 
最後に、私の疑問ですが、なぜ日本では国内の雇用統計を大々的に発表しないのでしょう。
(こっそりと発表はされています)
米国雇用統計のような世界への影響力はありませんが、国内の個人消費には直結するはずです。
企業や投資家が「雇用統計」にもっと注目し、個人消費の先行指標として共有するなら、現在のような失業率の低い好ましい状況では、もっと積極的な投資行動に出るはずです。
「雇用統計」には、そういうアナウンス効果もあるのです

儲からない会社の外注費、「コスト計算の落とし穴」

儲からない会社の外注費、「コスト計算の落とし穴」

 

ほとんどの会社で「外注費」は発生します。
会社によって業種によって、「外注加工費」であったり、「委託外注費」であったり。
いずれにしても外部の業者に仕事を依頼した際の費用ですね。
 
「外注費」という言葉には、
「自分たちでもできるけど、何らかの理由で業者に依頼する」
という意味合いがあるように感じます。
製造業なら部品の加工、小売業やサービス業なら店舗の清掃などのように。
業者に頼んだ方がいいのか、自分たちでやった方がいいのか。
この判断で間違ってしまう会社が結構多いです。
自社でも業者でも品質と納期に差がないのであれば、コストで比べることになります。
 
製造業での部品加工を例に。
①自社で製造したときのコスト  時給2,000円×10時間= 20,000
  (時給換算2,000円の社員が10時間かかる作業,)
②業者に外注したときのコスト  見積り17,000
 
この時に安いからといって、何の確認もせずに外注してしまうのは間違いです。
なぜなら外注に出している間に、社員が「遊んでいる」かも知れないからです。
社員は遊んでいても、給与が発生します。
そんな状況で外注に出すと、給与と外注費が同時に発生してしまいます。
これが外注費をめぐる「コスト計算の落とし穴」です。
「遊んでいる」は極端な表現ですが、フル稼働状態でないなら他の仕事をちょっとずつ詰めれば、自社でできる仕事かも知れません。
それが出来ればコストはゼロです。
つまり自社の製造現場がフル稼働しているのであれば外注するのが正解で、していない状態(余剰工数がある、といいます)であれば、自社でやるのが正解です。
 
小売業では、POPやチラシなどの「広告宣伝費」に大きなコストをかけています。
「広告宣伝費」の中には自分たちでできること、自分たちでやった方がいいことも混じっているかもしれません。
そういうものは実質的に「外注費」ですから、もう一度、自社でやるか、業者に頼むか、検討の余地があります。
 
儲からない会社、儲からない店には、安易に仕事を外に出す傾向があります
これは外部の才能を活用する、今どきの「アウトソーシング」とはまったく違います。
出来ることはすべて自分たちでやる、そうすれば会社の人・設備がフル稼働に近づきます。
どんな業種であれ、現場がフル稼働すれば利益は出やすくなります。
繰り返しになりますが、「自分たちで出来ることはすべて自分たちでやる」を徹底することが、儲かる会社への最短ルートです。

セブンイレブンの新型店舗

コンビニ
日経新聞によると、コンビニの店舗数の伸びが鈍化しているとのこと。
2017年度、セブンの店舗純増数は前年比2割減。
ファミマは店舗統廃合に注力していて、店舗数は純減となるそう。
 
先日、たまたまセブンイレブンの店舗開発の方と話をする機会がありました。
私たちの会社に近い店舗を全面リニューアルするとのこと。
その店は駐車場を備えた郊外型の店舗です。
建物を若干大きくして売り場面積を広く、同時に駐車場も広く。
そこまではよくある話なのですが、それに加え店舗レイアウトが大きく変わるとのこと。
 
①入口が真ん中に
これまで長方形の店舗の正面、左右どちらか寄りに入口がありました。
それを真ん中にもってくるとのこと
➁カウンターを正面奥に
これまでは入口に対し直角にカウンターがありました。
それを正面奥に広くレイアウト、入り口側を向く形になります。
③島の陳列棚をタテ方向に
店内の島陳列棚(壁に付いていない棚)を、正面から見てタテ方向に配置。
奥のカウンターに対しては垂直ですね。
 
例えは非常に悪いのですが、レイアウト的には昔の典型的なパチンコ店を想像すれば良いでしょう。
最大のポイントはカウンターを拡大することではないでしょうか。
これまでは長方形の店舗の「短い辺」をカウンターにしていたのですが、これからは「長い辺」がカウンターになります。
コーヒー・おでん・からあげの提供や宅配便の取り扱いはもちろん、今後も増え続けるであろう各種サービスに対応できるカウンター。
 
今後リニューアルする店舗は、原則このレイアウトになるとのこと。
冒頭の「店舗統廃合を含めた出店戦略の見直し」「人手不足に対応する効率化」とも関係があるのでしょう。
カウンター背後の壁にはイメージアップのデザインが施されるとか。
どんな店になるのか楽しみです。