会議で「モチベーション」が飛び交ったら要注意 !

会議で「モチベーション」が飛び交ったら要注意 !

 

会議で、「モチベーション」という言葉が矢鱈と飛び交うようになったら、要注意です。
社員のモチベーション、部下のモチベーション、アルバイトのモチベーション
業績が上向かないのは、モチベーションを喚起できていないからだと。
 
しかし、本当に業績が上がらないのは、モチベーションのせいでしょうか。
少なくとも、直接的な原因はそうではないでしょう。
例えば、お客が店でモノを買うとき、店員のモチベーションの有無を確認して買うわけではありません。
確認するのは、品質、価格、ディスプレー、接客
それらを総合的に、または直感的に判断して、買う・買わないを決断します。

ですから、店の業績を上げるためには、品質・価格・ディスプレー・接客のレベルを上げる以外ありません。
そしてそのレベルアップの手段は、担当者の「アクション(行動)」以外ありません。
どんな素晴らしいアイデアやモチベーションを持っていても、「アクション」されなければ、業績アップにつながりません。
会議でフォーカスされるべきは、「モチベーション」ではなく、「アクション」なのです。

そもそも「会議」は、課題を解決するために行います。
➀解決したい課題を分析して、いくつもの小さい課題に分解する
➁その小さい課題で対策が打てそうなものを選び出す
➂その対策を「アクション」レベルで書き出す。
➃そのアクションに優先順位、担当者、対策期限を設定する
このように、小さい課題に対してアクションを起こすことで、元の大きな課題の解決を目指すのです。

ところが会議で「モチベーション」にフォーカスすると、そこで課題の分解はとまってしまいます
「モチベーション」は分解しにくい漠然としたものだからです。
そうなると会議は、最も解決困難なテーマ「モチベーションの充填」に時間を費やすことになります。、
そして最後に辿り着く結論は、「モチベーションアップ研修が必要」などということになります。
課題解決からどんどん遠ざかってしまうのです。

もちろん、「モチベーション」は大切です。
モチベーションはアクションを継続するための「燃料」だからです。

しかしそれは、ガソリンスタンドのように簡単に充填できる燃料ではありません。
こじつければ、走っているうちに生み出されるハイブリッドの電気のようなものでしょう。
アクションを起こした人だけに「モチベーション」は生まれるのです。

繰り返しますが、会議で議論すべきは「モチベーション」ではなく「アクション」です。

銀行との付き合い方③ 「何もないときに敢えて波風を立てる」

銀行との付き合い方③ 「何もないときに敢えて波風を立てる」

 

毎月の運転資金の一部を銀行から借りる会社があります。
当座貸越や手形割引などの短期借入ですね。
そうでない会社が銀行からお金を借りるのは、何年かに一度大きな設備投資をするときくらいでしょうか。
そうすると前の借入から45年経っていたり
場合によっては銀行の担当者が2回替わっていたりします
 
何かあった時に銀行に頼らなくてはいけない会社であれば、何もないときに銀行相手に予行演習しておくことをおすすめします。
 
具体的には、23年に一回、担当者が替わって少しなじんだ頃に、借入申し込みをしてみることです。
銀行が自社をどう見ているのか確認しましょう。
 
例えば次のような借入です。
A. 法人税支払いや賞与のタイミングで、6ヵ月返済の短期借入
この場合のポイントは、保証協会の保証や担保設定なしの条件で申し込むことです。
B. 自社にとって影響のない程度の金額を5年返済する長期借入
目的は手元資金(当座・普通などの流動性預金)を積み増すため、でいいでしょう。
これも保証協会・担保なしで申込みます。
 
①スパッと決裁されればそれで良し。
 安心してください、信用されています
②ちょっと審査に時間がかかってしまったけど決裁されたら、それはそれで良し。
 銀行が引っかかったところを知っておくことも有意義です。
 改善する努力を見せれば、信用されるでしょう。
③保証協会や担保の条件付きで決裁されたら、それはそれで良し。
 銀行の見方が分かっただけ意味がありました。
 借入申し込みは取り下げましょう
④審査が万一NGになってしまっても、それはそれで良し。
 とは言えませんが、それを現実と割り切れば、本当にお金が必要な時のために、他行を含めた銀行取引見直しのきっかけになります。
 
何もないときこそ、敢えて波風を立てるのも、銀行との付き合いにおいては必要なことです。

ゴルフ練習場に転がっている「10円玉」

ゴルフ練習場

 

ゴルフ練習場に行くと、フェアウェイにたくさんボールが転がっています。
お客さんが打ったボールですね。
ゴルフ練習場の経営者から見ると、あれはボールではなく「10円玉」です。
正確に言えば練習場によって8円玉だったり15円玉だったり。
お客の打球音の数だけ10円玉が飛び交っているのです。
 
以前ゴルフ練習場の立ち上げに携わったことがあります。
最初のボール単価の設定は非常に悩みます。
近隣の練習場の価格を調査したり、売上予測から損益のシミュレートをしたり。
それでも確たる自信もないままに、決定した料金は、
「いつでも19円、その他の料金一切なし」でした。
 
練習場の多くは入場料や夜間照明料を取ったり、土日の単価を上げたり、平日8時以降の単価を下げたり、非常に複雑な価格体系になっています。
見方によってはお客の足元を見た「取らんかな」の価格体系にも思えます。
 
結果、「いつでも1球9円」はお客さんにとても歓迎されました。
毎日会社帰りに20だけ打って帰るシングルプレイヤーもいらっしゃいます。
また、予想していなかったことですが、土日早朝のお客が非常に多く、それはゴルフ場に行く前に30練習する方々だそう。
「いつでも9」をお客さんは、「チョイ打ちOK」と受け取ってくれているのです。
 
余談ですが、今タクシー業界も初乗り料金を下げる動きがあります。
運転手の機嫌を伺うことなく、「チョイ乗り」が出来たら、もっとタクシーを使うのではないでしょうか
 
入場料や初乗り運賃を出来るだけ下げて、お客さんが「チョイ打ち」「チョイ乗り」しやすくすれば、確実に客数増・売上増につながります。
なぜなら、「チョイ打ち」「チョイ乗り」したいお客さんは、現在取り込めていないお客だからです。

「がめつい」社長たち

「がめつい」社長たち

 

これまでにお付き合いがあった社長の中には「がめつい」人が何人かいます。
そういうがめつい社長たちはよく似ています
 
前日の売上が悪ければ、マネージャーに電話して長々と怒鳴り散らす
安月給のマネージャーに。
売上が良ければすこぶる機嫌がいい。
何か思いついたら、熟考することなく、すぐあっちこっちに電話する。
声が大きい。
傍若無人。
会社が儲かれば法外な役員報酬をとる。
家族を役員にして役員報酬をとる。
一緒に喫茶店に入っても、めったに財布を出さない。
業界の中でも煙たがられる存在。
仕入先に無理難題押し付ける。
あんなに頼み込んで入った商業施設なのに、売上が悪いとすぐ撤退しようとする。
 
尊敬できるところを挙げろと言われても困ってしまいます。
決して経営雑誌に特集されることはないでしょう。
もちろんカンブリア宮殿にも。
 
しかし私が知っている限り、そんな社長たちの会社はことごとく儲かっています
しかも長い年数連続で。
私が知っているがめつい社長たちの会社、アパレル、雑貨、鈑金、ビル清掃など業種によらず、よく儲かっています。
 
 
「がめつい社長」を変わり者として切り捨てることは簡単です。
しかし、そのがめつさと業績の関係を考察することなく切り捨てるのはもったいない気がします。
上に書き並べたことの中にも、学ぶべきところがいくつもあるのではないでしょうか。

よく考えてみると、私にはマネできないことばかりです。

パチンコは必要か、不要か

パチンコは必要か、不要か

 

取引先の採石会社の社長と話をしたときのこと、ひょんなことから「パチンコは必要か、不要か」という話になりました。
その社長は「パチンコは必要」とのこと。
 
理由はこうです。
その会社の採石場は市街地に近い立地にあり、ハッパ(ダイナマイト)を使うことが出来ません。
ですから従業員はユンボ(パワーショベル)で、ガリガリと岩肌を削って、石を作っていきます。
来る日も来る日も、朝から夕方まで物言わぬ岩に向き合ってガリガリガリ
石を採りつくして採石が終わるのが、何十年先なのかも分かりません。
そういう仕事をしている従業員に、今日の作業目標は与えられても、「将来の目標を持て」とは言えないとのこと。
そんな従業員たちの日々の楽しみは仕事が終わってからのパチンコと、家に帰ってからの晩酌だそうです。
パチンコと晩酌は彼らの原動力、だからパチンコは必要というわけです。
 
その話を聞いて、とても考えさせられました。
世の中にはいろんな仕事があり、いろんな人がいろんな目的で働いている。
仮に10年後の目標を持っていない人がいたとしても、それを簡単に否定することはできないなと。
立身出世が常に正しいわけじゃない。
その採石会社の子たちが削り出す石がなければ新しい道路を作ることはできません。
 
パチンコの要不要は置いといて、気づきのあるお話でした。