知人から、プロゴルファーと一緒にゴルフラウンドをした話を聞きました。
と言ってもプロのトーナメントの前、水曜日に行われるプロアマではありません。
地方で時々行われる、地元のプロを招待したオープンコンペです。
アマチュアには商品、プロには少額ですが賞金も用意されています。
参加費を出せばどんなレベルのアマチュアでも参加できるので、ルール的にはアマチュアに合わせて「オール6インチリプレイス(打つたびに打ちやすいようにボールを置きなおしてよい)」が採用されていたそうです。
「プロは動かさないんじゃないの?」
と私は知人に聞きました。
私くらいのアベレージゴルファーでも、「あるがままのボールを打つ」というゴルフの大原則を大切にしているからです。
しかし知人からは、意外な答えが返ってきました。
「それがうっとうしいくらい毎回置きなおしてたよ。
動かす必要のないくらいいいライでも、毎回ボールを持ち上げてた。
ボールに描いた線を目標にまっすぐ向けたりしてね」
なるほど。
私たちはプロゴルファーのことを、「プロテストをパスしたゴルフの上手な人」と考えます。
しかしプロゴルファー自身は、職業として「ゴルフで稼がなければいけない人」なんですね。
私のようなアマチュアは稼ぐ必要がないので、ゴルフに神聖さやカッコよさや気持ちよさや健康や、その他何を求めてもいいのです。
しかしプロは稼ぐことが第一であり、そのために出来ることはすべてやる、カッコなんか二の次、なんですね。
少しでもいいスコアを出すために、少しでも打ちやすい状態にボールをリプレイスする、それを全ショット手を抜かずにやる。
私たちが毎日している仕事、その仕事については私たちはプロです。
プロとしてやっている仕事で、いつの間にか「最優先すべきこと」を間違えて、中途半端な美学に偏ったりはしていないでしょうか。
あらためて考えさせられるエピソードでした。