財務分析は、会社の「健康診断」です。
私たちが毎年受診する健康診断では、受診後に「結果表」が送られてきます。
その結果表には、検査項目ごとに自分の数値と、判定結果が記載されています。
白血球数 54.4 判定A (基準値32〜86)
中性脂肪 230 判定E (基準値30〜149)
γ-GDP 22 判定A (基準値0〜50)
などなど。
私もそうですが、結果表が届くと、このABCDE判定に一喜一憂します。
昔、夏休み前に通知表が配られ、そっと開いたときと同じように。
しかし、この判定は必ずしも正しいものではありません。
正しいのは「中性脂肪230」という数値であって、それが本当に「E」と判定されるほど悪い状態なのかどうかは分かりません。
人それぞれ個人差と個性があります。
基準値・平均値から離れていても、その人にとっては必ずしも異常値ではないかも知れません。
尿酸値がずっと9.0以上あっても、まったく痛風を発症しない人がいます。
逆に基準値内でも、発症する人もいます。
ですから、「判定」は参考程度にしておいて、注視しなければいけないのは、数値がどう変化しているかです。
それぞれの数値がいい方向に動いているのか、良くない方向に動いているのか。
「中性脂肪」は去年179だったから、悪い方に行ってるな。
最近、食生活が荒れているからかな。
酒を減らして、もっと野菜とらなきゃ。
大切なのは数値の変化をウォッチすること。
そしてその変化の原因を見つけ改善のアクションを起こすことです。
中小企業の「財務分析」もまったく同じなのです。