スタイリッシュだけでは困ります !

スタイリッシュだけでは困ります !

 

JRの新幹線の駅がどこもかしこもキレイになっています
外国人の旅行客が増えていること、東京オリンピックを控えていることが背景にあるんでしょう。
JR東海のIR資料を見ても、新幹線の乗客数はリーマンショックの影響で落ち込んだ2010年3月期が1億3800万人。
それ以降は順調に回復、2016年3月期は1億6300万人に達しています。
観光客が増え、駅もキレイになることは素晴らしいことです。

しかし、一点どうしても気になることがあります。

それは男子トイレの小用の便器です。
つい先日も新神戸駅の構内トイレを利用したのですが、やはりダメです。
スタイリッシュで「美しい」TOTO製。
http://www.toto.co.jp/products/public/restroom/restroom_item_01/product/urinal/index.htm
多分機能的にも優れているのでしょう。
しかし致命的な欠点があります。
隣の様子がほぼ見えてしまうのです。
もっちゃりした従来型では、そんなことはありませんでした。
スタイリッシュと引き換えに、隠す機能が失われたのです。

JRの決定権者の方々は、実際に並んで試されたのでしょうか。
あの便器を使うのなら、隣との間に仕切板が必須です。
仕切板を入れることが出来ない狭いスペースなら、このタイプはNGです。

このタイプのものは最近高速道路のサービスエリアでも増えています
私はそれを見るたびに、「男子トイレも女性が設計しているのかな」と思ってしまいます。
男性にも、オッさんにも羞恥心があるのです。

こんなことを気にしているのは、私だけでしょうか。

ネット通販だけは「高度成長期」の真っ只中

ネット通販だけは「高度成長期」の真っ只中

 

日経新聞によると、2016年のネット通販市場は15兆1358億円と、15兆円を突破。
これは5年前のほぼ倍とのこと。
年平均にすると毎年12%強の成長をしていることになります。
ネット通販は高度成長真っ只中です。

ところで日本の高度成長期は
1954年(昭和29年)〜1973年(昭和48年)
と言われています。
この19年間に国民総生産(GDP)は
8兆円 → 119兆円
と15倍に、この間20年近くも平均15%の高度成長を維持していたことになります。

しかしお察しの通り、この高度成長期はまさにモノの値段が上がるインフレの時代です。
同じモノを同じだけ作っても値段が上がった分、勝手に成長してしまうのです。
そのインフレ分を差し引けば、高度成長期の成長率は、10%にはるかに届きません

ひるがえって現在のネット市場は、デフレの中での12%成長です。
GDPが 500兆円前後で足踏みしている中では、15兆円近い市場規模も存在感を増しています。
繰り返しになりますが、ネット通販は高度成長真っ只中です。
これに乗らない手はありません。

ニュース漬けからの脱却

ニュース漬けからの脱却

 

テレビのニュース・報道関係番組で最も視聴率が高いのは、
19時から始まる「NHKニュース7」です。
その視聴率は17%、大河ドラマ「おんな城主 直虎」が13%前後ですから、相当な高視聴率です。

このニュース7は昔からこんなに高視聴率だったわけではないそうです。
高齢化が進み、特に団塊の世代がリタイヤして家に早く帰るようになったこともその要因になっています。
現役時代は遅くまで仕事をしていた男性が、リタイヤして家にいる。
嘱託で引き続き仕事をしている男性も、定時に終わるので早く家に帰る。
で、そんな日本中の男性が7時になるのを待って一斉にNHKにチャンネルを合わせるんですね。
そういう私も7時までには家に帰り、ちゃんとNHKにします。
何か全国の男性陣とつながっているような、同志のような感覚になります。

私の場合、その後も惰性でNHKの番組を見て、そのまま「ニュースウォッチ9」
こちらも視聴率は10%を超えています。
でそれが終わると「報道ステーション」にバトンタッチ。
こちらは13%程度。
11時からは経済ニュースの「ワールドビジネスサテライト」
4%台。
11時半からはユアタイムに引き継ぎ、こちらは3%台。
帰宅してから寝るまでニュースばかり。
当然同じ内容を何度もなぞることになります。

一年くらい前、自分がそんな「ニュース漬け状態」になっていることに、ハタと気がつきました。
いくら体に良い食べ物でも、それだけを食べ続けるのはダメでしょう。
で、週3本ほどドラマを観ることにしました。
どのドラマでもいいのですが、周囲の人からおススメを聞いて、「毎週録画」にセットします。

今さらですが、観てみるとどのドラマも面白いです。
オッさんでも笑えて泣けます。
考えてみれば、ニュースを見る時の自分は、本当に無表情です。
ニュース漬けは、「無表情の固定化」です。
ドラマで表情が変わるだけでも、ありがたいことです。

社長は常に、情報「圏外」にいる

社長は常に、情報「圏外」にいる

 

ほぼすべての会社で、社長に正確な情報が上がっていません
社長が厳しいタイプであっても、優しいタイプであっても、正しい情報がそのまま上がることはありません。

報告する側についても、役員であろうと、新入社員であろうと同じです。
➀ 社長の顔色・機嫌を伺い、
➁ タイミングを計り、
➂ 自分に危害が及ばないように言葉を選び、
➃ 若干の脚色を加えたものをオブラートに包んで、
➄ 場合によっては、都合のいい話に差し替えて、
報告します。
しかし、このちょっとした脚色や薄いオブラートでさえも、社長の間違った経営判断の原因になることがあります。

どの会社にもあるこの問題を、どうすれば解消することができるのか。
結論は、社長が「間違えないための能力」を身につけるしかありません
報告する側の社員を変えることは非常に難しいことです。

社長が身につけるべき「間違えないための能力」とは、
1. 社員は自分に正しい情報を伝えない、それが現実だと割り切る力
2. 経営や営業に関する情報を、数値で正確に把握する力

この2つの能力を身につけた社長は、社員からの報告を鵜呑みにしません。
社員から報告を受ける時には、自分の中にあるデータとの整合性をチェックします。
報告が自分のデータと相反するものであれば、それを究明します。
つまり、社員の報告も一つのデータとして受け取るのです。
ザックリとした社員の報告を鵜呑みにして右往左往したり、一喜一憂することはありません。

社長がそのように、社員の報告を一つのデータとして情報処理するようになれば、社員の脚色もだんだん少なくなるでしょう。
すべては社長次第です。

金融庁の叱咤激励で、地銀のバラマキが始まる

銀行

 

最近、日経新聞で金融庁と地方銀行に関する記事が続きました。
<5/25 朝刊> 金融庁、健全地銀に人材を派遣
<6/8 朝刊> 地銀の運用依存是正

最初の記事は、地元企業への融資を積極的に増やしていこうとする地方銀行には、金融庁が有能な人材を「お手伝い」として派遣しよう、というもの。
「有能な人材」とは具体的に、メガバンクOBで金融ノウハウをもっている人や、大手企業OBで企画・人事の専門知識をもっている人など。
これまで金融庁が銀行に人を送り込むのは、経営危機に瀕した場合に限っていたので、「健全」な地銀に対しては今回が初めてです。

次の記事は、マイナス金利の状況下で、地銀が高い利回りを狙って国債や外債での運用を増やしていることに対して、金融庁がストップをかける、というもの。
一定の保有制限を設けて、それ以上に運用残高が増えないように。

この二つの記事のテーマは同じ、
「地銀は、もっと地元企業にしっかり融資しろ!」
という、金融庁の叱咤激励です。
地銀の本分は、金融で地域経済を支えること。
地域で将来性のある会社を発掘・資金投下して大きく育てる。
破たんしそうな会社は、早めにテコ入れして再生させる。
再生が出来ないなら整理して、地域経済に与える影響を最小限にする。
それを金融庁は求めているのです。

もっともです。
地方銀行は、その地域から逃げられません。
地方に出店しているメガバンクは、その店をたためば逃げることも出来ます。
しかし地銀はそうはいきません。
その地域にあるから地銀なのです。
長い目で見れば、地域経済が活性化しない限り、そこの地銀も永続できません
地銀はその地域にある金融を、清濁併せ吞まなくてはいけないのです。
美味しいとこどりはできません。
パイがどんどん小さくなっているのですから。
地銀は今、その覚悟を迫られているのです。

いずれにしてもこの金融庁の叱咤激励で、地銀は貸出増のために必死に営業活動することになるでしょう。
そしてバラマキ融資が始まります。
しかしこれは必ずしも悪いことではありません。
地方の景気上昇に唯一欠けているピースは、「銀行の貸出増」なのですから。

< 2017/4/27 かんたん説明、「信用創造」➁ >