女性の活躍と「預金通帳」

女性の活躍と「預金通帳」

 

「貯金が趣味」という人は、ときどき預金通帳を開いて残高を確認するのがひそやかな楽しみかも知れません。

以前、ビジネスホテルチェーン大手の社長さんの講演を聴いた時、その中に預金通帳の話がありました。
そのホテルチェーンの支配人は大半が女性です。
ホテル(支店)ごとに会計を分けていて、支店の売上は支店の通帳に入れるそうです。
売上の段階で、本部が吸い上げることをせずに。
そして毎月の人件費、経費、本部経費もその通帳から支払う
そうすると自然と月末に残る通帳残高はその支店の儲け、「利益」です。
そのホテルチェーンでは主婦から支配人になるケースが多いとのこと。
通帳を見て家計の算段をする主婦の特性を生かしているのだそうです。

本部からの資料で自店の状況を知るのではなく、通帳の残高で知る。
自分たちがいい仕事をすれば通帳の数字が増える。
減ればもっと頑張んなきゃと思う。
分かりやすい仕組みです。

通帳の話以外に、もう一つそのチェーンの取り組みで、いいなと思う話がありました。
それは、給与の中にたくさんの手当があるということです。
アンケートでお客からお褒めの言葉をもらったり、掃除の仕方を改善したり、新しいサービスを提案したり、とにかくちょっといいことがあれば手当を出すのだそう。
人によっては月に5つも6つももらうことも。
金額は少額でも、いろんな手当があるということは、いろんな働きを見てくれているということ
それが従業員のやりがい・喜びになっているのです。
社長さんいわく、それも女性の特性に着目した施策だそうです。

これからは結婚・子育てで一度仕事をやめた女性が、もう一度社会に戻り第一線で活躍するのが当たり前になります。
女性を生かす仕組みをしっかり用意できるか、それが勝負の分かれ目になりそうです。

店舗の「非日常」と「掃除」の関係

店舗の「非日常」と「掃除」の関係

 

どんな店であっても、お客に「非日常」を提供しなくてはいけません。
お客が飲食店に行くのは、「非日常」の空間で「非日常」の料理を楽しめるからです。
「非日常」が無ければ、家で食べるでしょう。
お客がブランドショップに行くのは、「非日常」の空間で高揚して買い物ができるから。
「非日常」が無ければ、ネットで買い物をするでしょう。
お客がディズニーランドに行くのは、「非日常」の世界に入り込めるから。
「非日常」が必要ないなら近くの遊園地に行くでしょう。

そんな「非日常」の大敵が「経年劣化」です。
経年劣化は店が出来上がった瞬間から始まります。
どんなに大切に扱っていても、時が経てば、金属部分に小さなサビが浮いてきたり、壁や床のタイルの端っこが割れたり。
これは仕方のないことです。
しかし、お客は見逃しません
初めて行った店でサビや割れを見つけてしまうと、一気にお客は「日常」に連れ戻されます。
「神は細部に宿る」
細部が完璧でなければ、全体が「非日常」の空間にならないのです。

細部を完璧に保つには、細部の劣化の兆候をいち早く見つけること。
それを可能にするのは、やはり毎日の掃除です。
毎日隅々までキレイに掃除するスタッフは、小さなサビや割れに気づいて、毎日気になってしょうがなくなるのです。
これもキレイにしたいと。
掃除を適当に済ませるスタッフは、経年劣化に気づかないまま過ごしてしまいます。
大きなサビも大きな割れも、見慣れた光景になってしまうのです。
店にとっては本当に恐ろしいことです。

毎日の掃除が大切な理由の一つが、この細部への気づきなのです。

毎月第1金曜日は、「お肉の日」

毎月第1金曜日は、「お肉の日」

 

毎月第1金曜日は、「お肉の日」
スーパーの売り出しではありません。
私たちの会社の話です。
地元の百貨店のお肉屋さんが会社に配達してくれるのです。
もともとそのお肉屋の社長を知っていたので、お願いして始まった社員への福利厚生サービスです。
買いたい社員は火曜までに注文票に記入します。
すると金曜に注文者ごとに袋に入れて持ってきてくれます。

デパ地下商品ですから、黒毛和牛、国産豚、地元のブランド鶏のみ。
配達日の朝カットするので、フレッシュで見た目も非常にキレイです。
価格は百貨店の店頭の半額程度、一部をピックアップすると、
ブランド黒毛和牛すきやき用  900円/100g
国産豚モモブロック  168円/100g
地元産鶏ササミ  68円/100g
(※消費税込)
普段よりぐっといい肉をスーパー並みの値段で買うことが出来ます。
もちろん福利厚生なので、会社が中抜きすることはありません。

今月で8回目、社内の口コミで毎月利用者が増えています。
今月は20名で7万ほどの注文になりました。
配達された肉を終業まで一時保管するのに、既存の冷蔵庫では足りなくなり、もう一台冷蔵庫を増やしました。

今日は第1金曜、「お肉の日」でした。
工場での仕事が終わり、冷蔵庫がある食堂で注文した肉を受け取ります。
毎回そうなのですが、肉を受け取る時の社員はなぜかみんなハイテンションです。
今日もお互いの肉を見せ合って盛り上がっていました。
受け取った肉を抱えて車に乗り込む社員を見ていると、家族との食事が想像されて、こちらもちょっと幸せな気持ちになります。

ゴルフ練習場でハンディキャップを取得する

ゴルフ練習場

 

私たちのグループ会社のゴルフ練習場では今、お客さんにハンディキャップを取得してもらうことに注力しています。
JGA(日本ゴルフ協会)認定の公式なハンディキャップです。

JGAのハンディキャップは、ゴルフコースの会員さんが、「公式ハンデは15です」と言っているアレですが、手続きをすれば、すべてのゴルファーが取得できます。
高価な会員権を持っていなくても、取得できるのです。
例えばゴルフダイジェスト・オンラインを通じてスコアカードを提出する方法。
または各県のゴルフ協会の会員になって、そこを通じてスコアカードを提出する方法もあります。
どの方法をとっても、スコアカードのデータがJGAに行き、JGAが認定証を発行してくれるのです。

ところで、ゴルフの練習場に通うお客の一番のニーズは「ゴルフが上手くなりたい」こと。
「上手くなりたい」が強いほど来場回数が増えます。
ですから練習場の販売促進は、お客の「上手くなりたい」気持ちを盛り上げることです。

私たちの練習場では、近場のゴルフ場と提携して、いろんなレッスンラウンドを企画しています。
例えば、まだゴルフ場でラウンドしたことがない人だけが参加できるコンペ「デビュー杯」。
数回のレッスンとハーフラウンドをセットにして、初ラウンドではインストラクターがルールやマナーを教えながらプレーします。
また、100を切ったことのない人を対象にしたレッスンラウンド「ターゲット99」など、レベルごとの「上手くなりたい」をサポートしています。

公式ハンディキャップ取得もその一環です。
コースの会員権は持っていなくても、JGAのハンディキャップを取得することで、JGAに認定されたゴルファーになれます。
それだけでも少しゴルフに対する思いが強くなるでしょう。
ハンディを減らすことを目標にして、人によってはシングルプレーヤーを目指して、「もっと上手くなりたい」と思う。

そうやって「上手くなりたい」人を増やすことは、ゴルフ練習場の来場者数を増やし、ひいては地域のゴルフ人口を増やすことにつながるものと考えています。

管理職が一番してはいけないこと、「現場の邪魔」

管理職が一番してはいけないこと、「現場の邪魔」

 

社長・役員・管理職が一番してはいけないこと、それは現場の邪魔をすることです。
ここでいう「現場」とは、「店舗」や「工場」、営業職や経理なら「部下の仕事場」です。
つまり、店舗や工場、部下の邪魔をするな、ということです。

何を今さら、そんな当たり前のことをと思われるかも知れません。
しかし世の中に、現場の邪魔をする管理職がどれだけ多いことか。
自分が何か訊きたいことがあると、時間関係なく店舗に電話したり、部下を呼びつけたり。
これはダメです。
超緊急のケース以外は、現場優先です。

なぜなら、日々の企業活動の中で利益を生み出すのは「現場」以外にないからです。
「現場」の効率を最大限に上げることが、会社の利益を最大限にするのです。
だから店舗の営業時間内に不急の電話をかけてはいけません。
工場が高稼働しているときにオーナー会長の視察をセットしてはいけません。
営業担当者が「顧客への提案書」をチェックしてほしいと頼んできたとき、管理職はそれを後回しにしてはいけません。
経理担当者が月末処理に追われているときに、呼び止めて来月の話をしてはいけません。

「現場」は時間との戦いです。
決められた時間内で、最大の成果物を生むための戦いです。
それを邪魔しない時間帯であれば、連絡しても良いでしょう。
飲食店なら14時や16時のアイドルタイム。
工場なら昼休憩後、午後作業を始める前。
メールを送るのはいいですが、早く返信することを強制してはいけません。

ところで、その「現場」を作ったのは他でもない管理職です。
会社の利益を最大にするために、人を選び、場を作り、仕組みをつくったはずです。
自分が作った「現場」が高稼働して利益を生もうとしているのを、自分が邪魔してはいけません。