売上を分解する

売上を分解する

 

よく使われる「売上の公式」
売上=客数×客単価
この式は、売上を上昇させる要素が2つあり、売上を上げるためには、「客数」を増やすか、「客単価」を上げる必要がある、ということを表しています。

この公式はもっと分解できます。
② 売上=客数×買上点数×物単価
これは①の「客単価」を「買上点数×物単価」に分解しています。
買上点数はお客一人当たりの平均購入点数です。
この式は、売上を上昇させる要素が3つあり、それらのどれかを上げる必要があることを表しています。

もっと分解できます。
③ 売上=入店客数×買上率×買上点数×物単価
これは②の「客数」を「入店客数×買上率」に分解しています。
買上率とは入店したお客の中で実際に買ったお客の割合です。
この式は、売上を上昇させる要素が4つあり、それらのどれかを上げる必要があることを表しています。

もっと分解できますが、やめておきます。
大切なことは、売上を分解して小さな要素にすれば、その要素に具体的な目標や対策を設定しやすくなるということです。
例えば漠然と「売上を上げる」よりも、
もっと具体的に、「客数を増やす」
さらに具体的に、「買上点数を増やす」
の方が対策を打ちやすくなるのです。

本当に資金を貯めたいなら、「生命保険」

本当に資金を貯めたいなら、「生命保険」

 

会社で、いざという時のために資金を貯めるなら、銀行の積立預金ではなく、生保を活用することをおすすめします。
適当な積立型の(掛捨てではない)生命保険に加入して毎月保険料を口座振替で支払うのです。

理由は至ってシンプル。
生保で積み立てると、今どれくらい積み立てたか分かりにくいからです。
毎月2、30万くらい保険料を支払っていると、いつの間にか2、3千万貯まっていたなんてことになります。
これがいいのです。

これを銀行で積み立てると、預金の残高に入るので、毎月資金繰りをしたり、試算表を見たりするときに目に入ってしまいます。
結局常に、「あの積立預金に今○○○万ある」と頭の片隅に置いてしまうのです。
で、少し資金繰りがタイトになると、それを当てにしてしまったり。

これは個人の積み立ても同じですね。
本当に貯めたいなら、積み立てていることを「意識の外」に置く方がベターです。

どんな生命保険に加入したら良いか。
半分損金型や全額積立型などがありますが、どっちでも構いません。
大切なことは年払いではなく毎月払いにすることです。
その方がいつの間にか支払ってしまうからです。
年払いにしてしまうと金額も大きくなり、支払いを意識してしまいます。
「いつの間にか」にならないのです。

繰り返しますが、本当におカネを貯めたいなら、積み立てていることを「意識の外」に置くことが大切です。

ゴミ箱に ミカンの皮を 捨てないで

ゴミ箱に ミカンの皮を 捨てないで

 

若いときに身についた考え方や習慣は、いつまでも体に染みついています。
それだけに、その習慣に反する状況に直面すると、落ち着かない気持ちになってしまいます。
その一つが、事務所のゴミ箱にミカンの皮を捨てる行為です。
今は夏なので、温州ミカンはありませんが、それでもたまに夏ミカンをもらうことがあります。
事務所の机でミカンをむいて食べる、これは田舎の会社の醍醐味です。
それはいいのですが、隣の席の部下は食べた後の皮を、事務所のゴミ箱に捨ててしまいます。
これが私にとっては気持ち悪くてしょうがありません。

私は銀行員時代、事務所のゴミ箱に生ものを捨てることは、絶対にしてはいけないこととして教え込まれました。
銀行では毎日たくさんの伝票・帳票を取り扱います。
それをどんどん処理して、用済みのものは机の下に置いているゴミ箱に入れていきます。
15時に店が閉まり、勘定を合わせたり書類を整備していると、たまに伝票が足りないことが発覚します。
そうなるとゴミ箱をひっくり返すことになります。
ですからここにミカンの皮を入れることは絶対ないのです。
鼻をかんだティッシュも。
ちなみに銀行では預金事務で出たゴミは透明の袋に入れて、日にちを書き、数週間保管します。
年に何度かはその保管ゴミをひっくり返してみんなで書類を探すこともあります。
そこにミカンの皮が入っていたらカビカビで大変です。

今の職場は毎日重要な書類を扱うわけではないですし、ゴミ箱をひっくり返して探すシーンもめったにありません。
中小企業の程よいルーズさも尊重したいので、「ゴミ箱に生ゴミ」の件は、胸に引っかかりながらも黙認していました。
ところが先日、部下がゴミ箱の中の書類を引っ張り出して何かを探しているのを見ました。
時を得たり。
「そう、そうやって何か探すことあるでしょ。
だからゴミ箱に生ゴミを入れるのはやめよう」
ようやく伝えることが出来ました。

ローテク業界で生き残るために大切なこと

ローテク業界で生き残るために大切なこと

 

ローテク(Low Technology)業界で生き残るために一番大切なことは、
設備投資を惜しまないことです。

私たちの会社の工場はローテクを絵に描いたような工場です。
鉄やステンレスやアルミの板を、切ったり曲げたり引っ付けたり塗ったり。
製品は大きくて重たいものばかり
一番小さな製品でも軽く1トンはあります。

大きいものを作るために工場の天井高も高く、20メートル。
大きい鉄板、厚い鉄板を切るための超大型レーザー切断機。
長い鉄板を折り曲げるための超大型ベンダー(プレス)。
バカでかい塗装ブース。
大きな材料や完成品を置くための広い土地。

爆発的な売上を望めないローテクでこれだけの投資は、割に合わなさそうに見えます。
しかし実はこの投資こそが、生き残るために不可欠なのです。
この設備投資には次のような意味があります。
①必要な初期投資額が大きいことが、新規参入の障壁になる。
②ローテクな業界は零細企業がたくさんあり、それらの企業が出来ない投資を先行することで、品質・効率で圧倒的に優位に立つ

つまり積極的な設備投資をすることで、新規参入を抑えながら、業界内のシェアを高めていくことが出来るのです。
実際、いろんなローテク業界で、積極的に設備投資をする勝ち組と、徐々に売上を落とす負け組にハッキリ分かれてきています。
この傾向はますます強くなるはずです。

今後いろんなローテク業界で、業績が安定した、新たな勝ち組優良企業が出てくることになるでしょう。

バニラ・エアで起きた 「地獄絵巻」

バニラ・エアで起きた 「地獄絵巻」

 

バニラ・エアに関するニュースに驚きました。
半身不随の男性が搭乗する際、会社側の規則を守るため、階段に座った状態で、腕を使って独力で登った、ということです。
周囲の状況を含め、「地獄絵巻」です。

もともと自力で昇降できない人は搭乗できない規則があった
車いすごと抱えて登ってはいけない規則があった
両脇を抱えて登るのも危険なので禁止する規則があった
それらの規則をみんなが守った。
その結果が、「地獄絵巻」。

問題は規則が良かった悪かったではなく、その場で誰も手を出さなかった(出せなかった)こと。
小さな空港、小さな飛行機の話なので、たくさんの人が周りにいたわけではないでしょう。
しかし数人は取り囲んでいました。
その中を、一人階段をよじ登っていく男性。
その姿を目の当たりにしても、手を差し伸べることが出来ない人たち。
こんな国が他にあるでしょうか。
「お・も・て・な・し」 なんて恥ずかしくて世界に向かって叫べません。

以前、スターバックスジャパンの元社長の講演を聴いたことがあります。
スタバの「ミッション経営」は有名です。
「人々の心を豊かで活力あるものにするために
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」
大切なことは、このミッションはすべての規則に優越・優先するのです。
スタバにも規則はたくさんあります。
しかし、困っているお客を前にしたら、社員は自分の判断で一時的に規則を破って、お客のためになることをして良いのです。
それが「ミッション」です。

バニラ・エアの件は、バニラ・エアだけで起きることではないでしょう。
どんな規則に縛られていても、逆に素晴らしい「ミッション」がなくても、今回のような状況を目の当たりにしたら、迷わず近寄って手を差し伸べる。
そんな社員を育てていかなければいけないと強く感じました。