10年以内に経理は無くなる、かも。

人工知能(AI)

 

税制改正で領収書のスキャナ保存が全面解禁されるなど、経理事務の簡素化をようやく国が後押しし始めました。

それにしても、なぜ納品書や請求書は発行する会社によってこれほどまでにバラバラなのでしょうか。
大きさもバラバラ、薄いものもあれば厚いものもあり、当然様式も違います。
ウチの会社もそうですが、このバラバラの帳票をキレイにそろえて糊付けして穴をあけて紐で綴って月ごとの冊子にする。
経理担当者はこれに多大な時間を費やしています。

もし国主導ですべての会社の納品書や請求書が統一されれば、それだけでも国全体で計り知れないほどの効率化になるでしょう。
バラバラであるメリットがあるとすれば、その帳票を見たらどこの会社のものか分かる、という程度のことです。
この効率化を国が主導しないのは、経理従事者の雇用、印刷会社の雇用を守るためではないか、と勘繰ってしまいます。

しかしこれから先、経理は一気に進化するはずです。
例えば、A社がB社に「電子請求」をして、B社の購買担当者がそれをポチッと承認するだけで、即時に銀行を通じて支払いが完了します。
同時にA社もB社も電子的に仕訳が完了。
B社の電子請求書には、電子納品書がセットされた形でデータ保存されます。
もう糊もハサミも必要ありません。

ほとんど経理担当者が介在する必要のない世界です。
経理は今の制度の下では非常に大切な仕事です。
しかし思い切って言えば、世の中を豊かにしていく仕事ではありません。
税制、銀行のフィンテック、経理ソフトさえ整備されれば、なくなっていく仕事です。

そうなるまで10年はかからないでしょう。
これから起きる急激な進化への準備運動として、冒頭のスキャナ保存にも取り組んでおきたいと思います。

生活習慣病健診、35歳からでは遅すぎる

生活習慣病検診、35歳からでは遅すぎる

 

結構大きな胆石があります。

この存在を知ったのは35歳での人間ドックでした。
35歳から受診が始まる生活習慣病健診、そのオプション検査「腹部エコー」で技師さんからその存在を告げられました。
それまで病気らしい病気をしたことがなかったので、動揺しました。
「お腹に石がある」と知り、自分が妊婦にでもなったような不思議な感覚でした。
大きさはすでに30ミリ
時すでに遅し。
これくらい大きくなると治療の方法がありません
良くも悪くも胆のうの中で、デンと落ち着いています。
完全に安定期に入っていますから、痛むこともありません。
いわゆる「サイレントストーン」です。
静かに見守り、痛み出したら胆のうごと取り出すのみ。
 
そういえば20代後半からお腹がキリキリ痛むことがあり、夜中に我慢できず救急外来に行ったこともあります。
結局原因が分からなかったのですが、あれは胆石がまだ小石だったころ、コロコロ動いていたのかも知れません。
 
胆石はコレステロール値の高い家系にはつきものです。
でもそれは胆石の存在を知ってから調べたこと。
私の周りにも35歳の人間ドックで初めて自分の異常値を知った人が多いです。
ハッキリ言って生活習慣病健診スタートが「35歳」は遅い !
35歳というのは、もう十分不摂生を積み重ねた年齢です。
もっと言うなら不摂生を積み終えて、これからサッパリした生活に移ろうかというくらいの年齢です。
 
35歳の 10年前、25歳でまず第一回の生活習慣病健診、出来れば脳ドックも受けられる制度がほしいです。
若いうちに自分の体の特性を知ることが出来れば、多少は20代で節制するのではないでしょうか。
コストはかかりますが、将来の医療費抑制には必ず効果があるはずです。
 
国の制度変更を期待したいところですが、それが出来なくても、若い方には20代で人間ドックを受診されることをお勧めします。

冷蔵庫がスカスカ、だから銀行融資が増えない

冷蔵庫がスカスカ、だから銀行融資が増えない

 

景気が悪くなると、家の冷蔵庫の中もスカスカになるそうです。
ムダなものは極力買わないように。
冷蔵庫の奥で賞味期限切れを発生させないように。
今日要るものだけ今日買う。
明日要るものは明日買う。
バブルの頃、冷蔵庫をパンパンにしていた主婦も、在庫を減らして筋肉質な家計を構築しようとするのです
 
この20年間会社もできるだけ在庫を減らし、ムダな資産は処分して筋肉質な財務を目指してきました
そういえば昔は余分な在庫どころか、保養所やクルーザー、ベンツにマセラッティ、本業にまったく必要のないものもあちこちの会社の決算書に載っていました。
そのせいもあり、銀行借入も必要以上にありました。
 
なぜすべての会社が筋肉質を目指したのか。
何がライザップのような役割をしたのか。
やはり銀行です。
ある時から銀行が急に、「債務償還年数10年」というモノサシを企業に当てるようになったのです。
「全ての借入を10年で返済できない会社は借入過多」だと。
返済がキツくなって追加融資か期間延長を頼むと
「リスケ(リスケジュール)したら問題先に区分されるぞ」と騒ぎ立てる。
まったく根拠のない「10年」が、絶対ルールとなってしまったのです。
そんな状況のもと、企業は極力余分な借入をしない、できるだけ借入
を減らすという考えが定着しました。
 
それがここに来て、銀行は「もっと借りて」と言ってきます。
あの「10年」の話はどこに?
あれだけ「筋肉質になれ」と言っていたのに、今度は「少しぽっちゃりした方がいい」と。
そんな勝手な話にこちらも、「はい、そうですか」とは言えません。
俳優さんみたいに、急に痩せたり太ったりはできません。
 
銀行の貸出が伸びない原因は、他でもない銀行と金融行政にあるのです。

モノづくり大国の根っこにあるもの

モノづくり大国の根っこにあるもの

 

モノづくり大国「日本」という言葉は、何となく日本人のプライドをくすぐります。
モノづくり、技術が日本を世界有数の経済大国に押し上げた、と。
 
旧財閥系グループの会合でも、製鉄や重工が一番上座で、次に化学とかがあって、銀行が一番下座という序列があると聞いたことがあります。
日本を引っ張ってきたのは製造業なんだ、と言わんばかりに。
 
私たちの会社は典型的なモノづくりの会社です。
鉄やステンレスの大きな板を切って、曲げて、吊って、溶接して、製品にして、塗装して。
そんな会社にいると、「モノづくり」の別の面も知ることになります。
 
一番つらいのは労災事故です。
切れたり、挟まれたり、巻き込まれたり。
何かが起きた時は、会社中が異様な緊張感でいっぱいになります。
 
環境や人体への影響も気になります。
設計が悪いのか、現場が間違えたのか、大きな失敗作が外に並べてあるのを見ると、これは資源の無駄遣いだなーと思います。
また製造過程で出る、アルミの粉や塗装の排水も基準を守っているとはいえ、環境や体にやさしいものではありません。
 
夏の食堂はとにかく汗の臭いでいっぱいです。
しかし空調もない40℃をはるかに超える工場で、バンバン溶接をする彼らのおかげで会社は利益を上げることができるのです。
 
こういう危険や環境汚染や健康被害や汗のにおいが、モノづくり大国「日本」の根っこにあるものです。
いわゆる3Kですね。
私はこれからも日本がモノづくり大国であり続けるためには、これらのKをすべてなくしていく必要があると考えます。
今の私たちの会社は、この3Kを引き受けているからこそ、仕事が来ているのだと思います。
しかしそんなことを言っていたらこの先確実に働き手がいなくなります。
 
モノづくり大国の根っこにある問題を、モノづくりの力で解消していく、それこそがモノづくり大国を未来につないでいくのに不可欠なことだと思います。

老後についての、ムダな心配は一切やめる

老後についての、ムダな心配は一切やめる

 

50歳になる前後に友人から一冊の本をもらいました。
清水義範さん著の「50代から上手に生きる人、ムダに生きる人」
その本に、いい話がありました。
ムダな心配は一切やめる」という話です。
 
最近、「少子高齢化」「年金削減」「下流老人」「老後破産」が喧伝されます。
これから老人になる人間にとって、とんでもない時代が待っていると。
われわれ中高年の不安をあおるものばかりです。
 
著者は、それを否定します。
そんなことはない。
個々の人間が老人になったとたんに「生活力」がゼロになるはずがない
歩くことが出来て、手が動いて、字が読めるなら、何とかして生きていけるくらいのお金はどうにかなるに決まってる。
だからムダな心配は一切やめなさい、と。
 
確かに、将来そんな困窮した老人であふれるのなら、今だって少しくらい自分の周りにサンプル老人がいそうなものですが、実際にはいません。
みんな収まるところに収まっています
 
老人に限らず、個人個人の「生活力」は、思いのほか強いです。
私たちの会社でも、残念ながらポツポツと辞めていく社員がいます。
「この子はこんな状態でウチを辞めて、この先大丈夫かなー」と思った社員でも、あとで野垂れ死んだ、なんて話は聞いたことがありません。
みんな自分で働く場所を見つけ、自分でパートナーを見つけ、自分で楽しみを見つけて生きています
みんな何とかなっているのです。
 
「今」を生きる力があるなら、「将来」も生きることができる。
ムダな心配は一切やめましょう。